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CONTAX Aria


“CONTAX Aria”

 137MD系の最新モデルで、事実上のMF CONTAX SLR最後の機種と言っても良いでしょう(今のところ。RXIIはRXのスペック・ダウンですからねぇ)。
 非常にコンパクトにまとまっている上に、外装はエンプラなんですが、それをあまり感じさせない金属的な塗装と相まって、あまり安っぽさはありませんが、非常に軽いです。
 この軽さが災いして、重いZeiss T*レンズを付けるとバランスが悪くなるため、あまり大口径のレンズ向きではありません(159MMだとワインダー+電池が格好のバランサーになります)。そのため、このボディのために軽いズーム・レンズが一本新開発され、Planar 85mmに比べると遙かに軽いSonnar 85mm f:2.8がドイツ生産で復刻しました(本数はあまり多くない模様)。

 機能的なウィーク・ポイントはデータバックの接点が弱いこと。実は新品で買ってフィルム3本目で不調になりました。しばらくそのままで我慢していたんですが、横浜在住時に銀座の京セラ・コンタックス・サロンにしょっちゅう出入りするようになって、その時に調整して貰っています。
 販売モデルとしてはデータバック無しの“Aria”と標準装備の“Aria D”がありますが、データバックD9自体が別売りで設定されていますので、差は有りません(“Aria D”の方が多少割安だったかも)。

 スペック的には測光方式に評価測光が追加されている他は、現在のCONTAX SLRとしてはきわめてオーソドックスなものになっています。シャッタ・スピードは159MM以来の1/4000secなんですが、シンクロが1/125secに退化しているのが未だに解せません。

 まぁ、この謎なんですが、ヤシカのSLRカメラが富士光機(現在は富士フイルムに統合)からコシナに委託生産を移行したあと、S2/S2bがコシナに生産委託されていたことは結構有名ですが(CS[注]レベルの初期の物は岡谷製だそうです)、RXやAriaも外部に生産委託されていたそうです。
 AriaはPENTAX MZ-3にそっくりなので、PENTAXのOEMという噂もありましたが、同じメーカーに生産委託されていた可能性があります(京セラ関係者の方から情報をいただいたのですが、設計は間違いなく京セラだそうです。言われてみれば、PENTAXもMZ-3を自社で生産していたかどうか怪しいですしね。真相は関係者しか知らないでしょうし(^^;))。
 どうもこのあたり事情がシャッタ速度に影響として出ているようです。外部委託だと色々追い込めない部分が出てきたり、委託先の技術力に合わせてスペックダウンする場合がありますからね。

 主な緒言は以下の通り。

外寸(D×W×H):60.5mm×137mm×92.5mm、重量:505g
シャッタースピード:1/4000〜4(sec:Manual)〜16(sec:AE)、B、シンクロ:1/125(sec)
ファインダー:視野率 95%、倍率 0.82倍
ワインダー巻き上げ速度:3コマ/秒
フィルム感度設定:(手動)ISO 6〜6400、(DX)25〜5000
専用ストロボ:TLA-360
定価(当時):\89,000(Aria)、\132,000(Aria D)
国内発売:1998年5月

注:CS Commartial Sampleの略。いわゆる店頭向けの「サンプル品」。これに対して、ES(Engineering Sample)というものもあり、こちらは機能評価用のサンプル。


at: 2003/12/31(Wed)
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