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The Last “MF CONTAX SLR”, CONTAX RTSIII


“CONTAX RTSIII”

 RTSIIディスコン後、数年を経てリリースされた、フィルムカメラとしてのCONTAX SLR最後のフラッグシップ(と言っても良いでしょう)。
 レリーズはRTS/RTSIIとは異なり(139も一緒ですね)、半押しで露出計のスイッチが入る構造になっているので(露出計スイッチも別にあります)、シャッタ誤爆が防げます。
 基本的なレイアウトはRTS系を周到していますが、メインスイッチが増えたり、縦位置レリーズにバルブのみですがメカ式レリーズ・ソケットがあったり。かなり考えられた機構です。あ、でも絞り込みプレビューの位置が他のCONTAX SLRと違うのはちょっとまごつきますね。
 あと、さすがにプロ仕様なのでプログラム・モードがありません。もちろん、MMレンズがデフォルトなのでシャッタ優先のTvモードはありますが。

 わたしの所有している個体は、28000番台の新品ですが、長いことデッドストックだったようで、裏蓋のラバーが粉吹いてました(苦笑)。
 それにしても、RTSIIIだけの超ハイスピード・シャッタ(これより速いのはミノルタのα-9/9iの1/16000秒だけです)。音が素晴らしいです。AXも結構静粛なシャッタだったんですが、一段上にズバ抜けている印象を得ました。
 重さも1kgを越えますので、ずっしり来ますが、それが逆に安心感を与えます。普段はAXを主体に使っていたので、あまり気にもなりませんしね。でも、重心が高いのか、Planar 85mm f:1.4を付けるとお辞儀しちゃいますけどね(画像ではレンズの下に京セラAF用のTマウントアダプタを仕込んでます)。

 あー、でもこいつのおかげでしばらく何も買えないな。

(2005/02/11:追記)
 ↑んな事書いている割には、分割払いにしたので、その後もポロポロ色々買い続けていますが、写真を撮る際はすっかりメイン・ボディになっています。これとAXを持ち出すパターンが多いですが、ついにこのRTSIIIも15年の歴史に幕を引き、このRTSIIIが最後のYASHICA/CONTAXマウント機になりましたね。

 まぁ、世間では色々言われていますが、ヤシカ/京セラでMF SLR CONTAXに関わってきたエンジニア、マイスターを含む製造担当者、営業、サービスのみなさんにはご苦労様でしたと言いたいです(サービス担当やコンタックス・サロンの方々は「今後とも宜しく」かも)。
 かつて、レンジ・ファインダー“Contax”が日本製SLRの波に飲み込まれたように、今や35mm SLRもディジタル・カメラに飲み込まれて行きつつあります。
 ただ、フィルムはそう簡単には無くならないと思うので(ディジタルでは絶対に撮れないものってありますからね)、あまり心配はしていません。

 世間では復活Zeiss Ikonがもてはやされ、すっかり京セラCOTNAXは形を潜めていますが、アレも一過性のものだと思います(レンズ高すぎ)。
 不思議なのはどの雑誌もLeicaのレンズとの比較はするんですが、同じCarl ZeissブランドのG1/G2用のレンズとは比較しないんですよね。正直、京セラのG用ZeissレンズはコシナのZeiss銘レンズと比較しても桁違いにコストパフォーマンスの良い逸品だと思いますよ。なんせ、マウント保護の為に金属にオイルを含浸させている上にAFメカニズムの入ったレンズがあんな値段なんですから。
 酷い論評では今回の“Zeiss Ikon”カメラがいかにも京セラ“CONTAX”とは違って、ツァイスの意志の基に開発された物のようにもてはやしたりしていますが(新金型だそうですが、微妙にコシナっぽさが抜けておらず、やっつけ仕事みたいな部分があるため、イマイチ食指が湧きません)、京セラ“CONTAX”が本当にライセンス品だったら“CONTAX”SLRは1982年の“CONTAX AF”のあとにミノルタαより先にAF化されて、今頃面白みのないディジタルSLRを出していたかもしれません。
 何故そうならなかったか。逆に何故いまこんな事になっているのか。良くも悪くもCarl Zeiss財団の舵取りのためだと思っています。

 頑張れ京セラ! よく考えたら、一眼レフにこだわる必要無いんだよね。
 一眼レフも細々とで良いので続けて欲しいですが、あっと驚くような物を出して欲しいです。

 主な緒言は以下の通り。

外寸(D×W×H):66mm×156mm×121mm、重量:1150g
シャッタースピード:1/8000〜4(sec:Manual)〜32(sec:Auto)、B、シンクロ:1/125、1/250(sec)
ファインダー:視野率 100%、倍率 0.74倍
フィルム感度設定:(手動)ISO 6〜6400、(DX)25〜5000
フィルム巻き上げ速度:3コマ/秒、5コマ/秒
専用ストロボ:TLA-240/360/480
定価:\350,000
国内発売:1990年9月〜2005年2月

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at: 2004/08/21(Sat)
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