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比較:偽物発見“YASHICA ML 50mm f:1.7”

 先日(と、言っても、この記事を書いている今から一ヶ月くらい前ですが)、マレーシア在住の日本人の方....仮にSさんと致しましょうか....から問い合わせ、というかご質問がありました(あんまり非常識なお問い合わせは困りますが....どういうのが非常識かは、“PRAKTICA B物語”の“質問についてお願い”が良い教科書だと思います....今回のSさんの場合は非情にマトモでした。こういうお互いの利益になるのは大歓迎です)。

 ご質問というのは、Sさん、つい最近ヤシカの世界に足を踏み入れてしまい(^^;)、レンズやボディを買いあさっているそうで、そんな矢先にベトナムで入手したML 50mm f:1.7がどうも普通のと違うのに気づいたそうです。
 まぁ、おかげさまでわたしのこのカオシックなWebサイトはヤシカ・ファンのリファレンスになっているようで、SさんもウチのサイトのML 50mm f:1.7と比較してわかったそうです。
 まぁ、ヤフオクから無断リンクを貼られたり、内容パクられたりするのは非情に困りますし(あんたがたの金儲けのためにページ作ってるんじゃないわい。使用料請求するぞ)、軽犯罪に成るんじゃないかと思いますが、こういう比較だとか真贋鑑定に使っていただくのは大歓迎です。

 で、件のML 50mm f:1.7なんですが、なんか大きさも違うし、銘板も微妙にヘンだし、なにより、軽い(^^;。
 ということで、わたしのところに画像付きでお問い合わせがありました。まぁ、ぱっと見、一発で偽物だとわかったんですが....。
 ということで、まずは下の画像を参照していただきましょうか。



ぱっと見にも全く違う、偽物と本物

 レンズ・エレメント自体は何となく似ているんですが、バレルや銘板の形状が全く違います。Sさんから送っていただいた画像は偽物だけなんですが、その絵を見てピンと来ました。
 というわけで、次の画像を見て頂きましょう。どうです、銘板以外は同じでしょう?



正体見たり、これでした。

 どうです? 全く一緒でしょう? 正体はPhenixのMC 50mm f:1.7。このレンズ、ベースがML50 mm f:1.7らしいので、撮影した写真は似たものになるはずなんですが、Sさんの話では偽物の方は色の乗りや解像度がイマイチだそうです。ワタシ自身もいずれは確認してみるつもりです。

 大きさや形状もさることならが、銘板の文字もおかしく、版下(偽物は印刷。本物は彫り込みで白の色入れ)を作成するときに失敗したようですし、なにより、並びの順番が異なります。
 本物は“YASHICA LENS”→“ML 50mm 1:1.7”→“MADE IN JAPAN”となりますが、偽物は“MADE IN JAPAN”が“ML 50mm 1:1.7”より前に来ています。
 もし、日本人が偽物作ったら、こんな詰めの甘い凡ミスはしないと思います。





横の比較

 上が偽物対本物。全然違うでしょう?
 でもって、下が偽物対Phenix MC 50mm f:1.7。逆に差がわからないでしょう?
 レンズ正面からだとちょっと印象が異なりますが、横の距離指標や絞り環の文字形状、バレル形状は全く同一。ついでに、この偽物が付けていたレンズ・キャップはフロントがアメリカで出回っている偽物で、リアがオリジナルから型コピーした汎用品でした。
 Phenixのレンズはボディに付いた状態で販売されているので、Phenixのレンズにはワタシ自身がアメリカから取り寄せた偽物が付けているのと同じモノを履かせています。
 もっともこの汎用品、金型を起こしたわけでなく、オリジナルからレジン型か何かでコピーしたものなので、精度が悪いので注意した方が良いですよ。e-Bayで割と見かけます。

 上の画像で気づいた人もいると思いますが、この偽物、日本製の証である“JCII”の検査合格ステッカーが貼ってあります。
 実はこれも結構偽物が出回っていまして、この偽物に付いていたのも印刷がずれている粗悪品。おまけに“JCII”の文字の版下が手書きのようでした。


JCIIステッカー“偽物”vs“本物”。偽物は微妙に“変”

 左がこの偽物レンズに付いていた偽物ステッカーで、右がe-Bayで落札してイギリスから帰国させたリコーXR-Xに付いていたモノ。画像の大きさがかなり違いますが(ステッカー自体はほぼ同じ大きさです)、XR-Xに付いていたものの方がかっちりしているのははっきりわかると思います。

 と、まぁ、正体はわかったんですが、これがいったいどこで作られたモノなのか。実はSさんと物々交換で手持ちの本物(ボディと一緒に$80くらいで手に入れたモノで、レンズだけの値段にするとたぶんSさんがベトナムで買ったものより安いと思います)と交換してもらって、手元に現物があるんですが、どうも複数の個体のいいとこ取りをしているようです。画像ではわかりづらいんですが、妙に絞り環が新しいんです。

 万が一、これがPhenixの仕業とすると、Phenix自体が京セラからのプラント購入で現在の事業を維持している事もあり、いわば師である京セラを裏切ったことになります。もしそうなら、道義的に許されることではないですね。まぁ、違うとは思いたいんですが、日本以上に著作権や意匠権には無頓着というか、犯罪意識がないお国柄なので、ねぇ。

 実はこのPhenix MC 50mm f:1.7はヤシカ/コンタックス・マウントの他に、PhenixのSLRカメラのマウントに合わせた、ペンタックスKマウント、ミノルタMDマウント、ニコンFマウントのバージョンがあり、これらもひょっとすると、PENTAXやminolta/MINOLTA、Nikonの商標で偽物が出回っているかもしれません。

(2005/12/29:追記):
 ヤフー・オークションで散見されたのですが、同じPhenixのY/CマウントのSLRカメラ、DC-303をベースにしたYASHICA FX-3 Super 2000の偽物が出回っているようです。
 ヤフオクで指摘したところ、「よくわからない」でかわされたのですが、オークション後すぐに画像を削除したところを見ると、確信犯だったのかもしれません。普通はしばらく放っておきますからね。

 で、見分け方は簡単で、
 ヽ鞍△痢FX-3 SUPER 2000”の名称に不完全な部分がある
 (箱がPhenixの共通パッケージと同じ大きさで、“SUPER”が抜けている箇所が有るはずです)。
 ▲譽蝓璽此Ε椒織鵑メッキ(本物は成形色そのまま)。
 セルフタイマーの指標が“丸”(本物は直線指標)。
  多分これは、金型がないので、作れないはずです。
 ぅ撻鵐織廛螢坤燹ΕバーのYASHICAのロゴが印刷(本物は凹部に白の色入れ)。
  これも、コシナが金型を捨ててしまったので、二度と同じモノは作れません。
 ゥ曠奪肇轡紂爾寮榲世一本足りない(チャージランプ点灯用)
 Δ海譴鰐こ稜Г任垢、三脚台座のネジが樹脂製(本物は金属製)。

 DC-303は\19,500で新品が販売されていますので、DC-303として扱うべきだと考えます。

(2009/10/26:追記)
 もし、偽物をお持ちの方はご一報を! おフランス帰りの本物と交換します(先着1名様限り(^^;))。

at: 2005/10/30(Sun)
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