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“CONTAX AF” すべてはここから始まった


 1982年のフォトキナ。
 一部で“CONTAX 137AF”と呼ばれている、CONTAX 137MDベースのAF一眼レフの試作品が登場し、大反響を呼びました。
 しかしながら、AF Planar 50mm f:1.7、AF Distagon 35mm f:2.8、AF Sonnar 135mm f:2.8をラインナップした“CONTAX AF”は、その後商品化される事は無く、市販品として世に出る事はありませんでした。

 主たる理由はMF系に設計されたレンズをAF化するには、一部のレンズがあまりにも巨大になってしまうというもの。大半は当時のスペックのままAF化も可能だったらしいのですが、フォーカシング・メカニズムの設計変更の工数やAF一眼レフの市場規模が読めない頃でしたので、当時経営難だったヤシカにはリスクが大きすぎたようです。京セラ(京セラとヤシカの合併は“CONTAX AF”発表の翌年、1983年の10月)になってからも引きずったミノルタの特許紛争も足を引っ張ったのかもしれません。当時のヤシカにはとても争えるような資金はありませんでしたから(実は、この京セラへの吸収合併時に退社したCONTAX AFや、YASHICA FX-Aを開発した一部のエンジニアがキヤノンに移籍しEOSを開発したとの話もあります。少なくとも、CONTAX AFとFX-Aの特徴でもあるスーパーインポーズ式合焦インジケータを持つファインダーを開発した人が後にキヤノンにいらっしゃったのは確認済み)。

 でも、“レンズが巨大化する”という理由、現在のNシステムを見ると、まさしく「なんでやねん」と言いたくなるようなバカバカしいものです。Nシステムのズームレンズ(特に広角系)は巨大です。これはZeiss T*に限らず、ニコンにしろ、キヤノンにしろ、シグマやタムロンなどのレンズメーカにしろ、大口径の広角系ズームではどこでも抱えている問題です。
 なんでこんな事が問題になったのか。今の情勢を考えると、バカみたいな話ですが、当時はどうだったのでしょう? ただ、それに相反するかのように、京セラ製のAFレンズは当時としては非常にコンパクトで、35-70mm Macro等はMFの50mmレンズとさほど変わらない大きさでした。

 その後、10年ほど経て登場した、MFレンズがAFになる驚異のバックフォーカシング・メカニズムを持った“CONTAX AX”もすでにラインナップから消えてしまいました。AXも悪くはないのですが、選択肢として一つしかないというのは悲しい限りです。となるとMF系Zeiss T*レンズをAFで使おうとすると、どうしても京セラ/YASHICA AFシステムへ行き着いてしまうわけです。

 その後いろいろ調べたところ、京セラAFシステムのレンズは全部で14本(更にその後15本である事がわかりました)。京セラAFレンズの大半は日本製のZeiss T*と同じく京セラオプテック(旧富岡光学)製ですし、14本なら全部集められそうだという安易な考えが浮かびました(実際は大変で、まだ達成していません:2003年1月になんとかレンズだけは揃いました。でもフードが(^^;)....その後更に16本目のレンズを発見し、現在に至っております...本家、CONTAXも無くなっちゃいましたしねぇ...2005/10/05)。

 というわけで、このサイトは当初ヤシカ発行のPR書籍「ZEISS T*レンズの世界」のパロディを意識して「京セラAFレンズの世界」としてスタートするつもりだったんですが、集め始めた時にボディの名称やバリエーション、更にAFシステムを母体として誕生したYASHICA/CONTAXマウントのMFシステムもある事を知り、どうせなら全部紹介しちゃおうということにしてしまったわけです。


at: 2002/12/16(Mon)
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