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“KYOCERA 230AF”の登場


“京セラ230AF”

 フォトキナで“CONTAX AF"が登場してから4年後。京都セラミックス(現京セラ)に吸収合併されたヤシカが開発していたAF一眼レフがついにその姿を現しました。それがこの230AFなのです。
 今ではストロボ内蔵の一眼レフは珍しくありませんが(CONTAXでさえ、NXでストロボ内蔵になってしまいましたし)、当時は非常に珍しいものでした。
 このペンタフラッシュと呼ばれるストロボ“CS-110”を外すと、ペンタプリズム収納部分が平べったいため、そのデザインが“CONTAX AF”に意外と似ている事に気づきます。
 写真はわたしの手持ちの230AF(じつは動かないんですが)に“Carl Zeiss Planar 85mm f:1.4 T*”をAFコンバータを介して装着した状態です。多分、妄信的なCONTAXファンには嫌がられるとは思いますが、“ヤシカFR”から続くCONTAX互換路線(注)としては非常に正しい姿でもあるのです(もっともこのレンズ、知る人ぞ知る暴れ玉で、合焦域がカミソリの歯並みの薄さになる絞り開放状態ではとても素人が扱えるものではありません。わたしにとっては鑑賞用に近く、わたし自身が普段写真を撮るために“CONTAX 159MM”で使ってるレンズは“Sonnar T* 85mm f:2.8”なのですが)。

 京セラAFシステムでは、合焦スピードを除くとこの230AFが一番のハイスペックです。200/210AFでオミットされた露出補正は270AFで復活していますが、フィルム感度の手動設定などは230AFでしか出来ません。そのためDXコードでは対応しないISO 6400まで感度設定が可能になっています。

 主な緒言は以下の通り。

外寸(D×W×H):50.5mm×148mm×89mm、重量:530g
シャッタースピード:1/2000〜16(sec),B、シンクロ:1/90(sec)
ファインダー:視野率 95%、倍率 0.82倍
フィルム感度設定:(手動)ISO 25〜6400、(DXコード自動)25〜5000
専用ストロボ:CS-110
定価(当時):\89,800
国内発売:1986年12月

 ちなみに、京セラAFシステムの為に開発されたレンズ群は、後期のシグマOEM品を除くと、絞りリングが無い事以外は試作モデルのCarl Zeiss AFレンズと全く同じ構造になっています(今のNシステムのモノも、それはそれでまた、全く違うんですけどね)。
 また、一部で「変な」と言われている、レンズ装着時に距離ゲージが45°傾くのも、いちいちカメラを倒してレンズの鏡筒を見なくても良いようにとの配慮からあの構造になっているのだと思うのですが、傾ける方向が逆だったのが残念ですね。
(2003/03/23 画像を入れ替え)
(2003/08/07)↑なんて書いてますが、液晶表示との位置関係を考えるとこれで正解なんですね。実は、CHINON CP-9AFを入手してから気づいたんですが、ストロボ有/無にかかわらず、右手側に液晶パネルがあると、右側にフォーカス・レンジの窓があった方が非常にわかりやすいんです。CHINONは左肩なので、左側に傾いていた方が良いんですが、傾いてません(^^;)。
 これに気づくと他社のAFレンズは、全然なってませんね(CONTAX N Systemも含めて)。

 Yahoo! Auction (Japan)にて落札、入手。

注:ちなみに、YASHICA/CONTAXマウントの初代機は輸出専用モデルの“YASHICA FX-1”です。M42(Praktica)マウントのTL-Erectoro系ボディのマウントを新型にしたもので、RTS発表とほぼ同時期に発売されています。
 FX-1自体はつい最近入手したんですが、古き良き国産カメラの代表選手とも言え、1kg近いずっりしとした重量とユニークなメカニズムでとっても面白く、わたしの宝物でもあります。


at: 2002/12/19(Thu)
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