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“AGFA COLOR MULTI-COATED VARIO 35-100mm f:3.5-4.5”


AGFA COLOR MULTI-COATED VARIO 35-100mm f:3.5-4.5

 RE ZOOM AUTO TOPCOR 35-100mm f:3.5-4.3のPKマウント/AGFAブランド版です。

 オリジナルはエクサクタ・マウントなのですが、元々チノンへ供給していた関係でそのままアグファまで展開したんじゃないかなと推測しています。とは言え、カメラ年鑑で調べた限りではチノンが国内向けには販売していた形跡は無く、海外専売だったようです。
 35-100mmという珍しい焦点距離もありますが(この領域で多いのは"35-105mm")、特徴のあるマクロ(オリジナルのTOPCORではCLOSE FOCUS)切り替え用のロック解除レバーの形状がそのままで、全く一緒なんですよね。
 ただ、国内のトプコン系研究者のサイトでは見かけた事がないので(見落としかも)、あまり知られていないようです。

 35mm-100mmのズームレンズで検索すると、パナのLUMIX G VARIO 35mm-100mm f:4.5-5.6 ASPH.か、KONICA AR 35mm-100mm f:2.8(知る人ぞ知るバケモノ・レンズ)くらいしか出てこないので、オリジナルがTOPCORなのは間違いなさそうですが、絞り開放値のテレ側がf:4.3からf:4.5に変更になっています。
 これ、エクサクタ・マウントでは4.3なのがPKマウントに換装すると0.2分暗くなるのかな? と推測しています(案外、数字の字面が悪いから、5で統一しているだけかもしれませんが)。
 とは言え、チノンやカレナーなど他のブランドのPKマウントOEM版ではf:4.3になっているので、真実はどうなんでしょうね?

 前玉が鏡筒のリムギリギリまであり、太い鏡筒にダイナミックな動きをするマクロ切り替えなどなど、結構カッコいいレンズなのですが、デザインの割には解放F値が控えめなのがなんとも。
 あと、マクロに切り替えないと最短撮影距離が300mm〜400mmクラスの超望遠級かよと思えるくらいの2.5mと、非常に遠いのがちょっとびっくり。
 マクロ(クローズ・フォーカス)・ポジションがデフォルトの使い方なんでしょうね。
 38cmという最短撮影距離はマクロと名乗るには中途半端なので(この焦点距離ならワイド側はせめて20cmまで寄れるようにして欲しかった)、国内ではクローズ・フォーカスだったんでしょうね。

 このレンズ、東京光学がカメラから撤退した後、製造協力会社だったシマ光学(のちのシィーマ。憶測ですが、“シィーマ”という、読みづらい社名は、当時の松下電器系列関係会社で現在も元気に事業継続中の株式会社シーマという別の光学機器メーカーがすでに大阪にあったので、やむなく“ィ”を入れたのでは? と思ってます)に移管されて、最短撮影距離が1.5mの直進ズーム型のズームレンズにリファインされたようです。

 Agfaの旧社名はAgfa-Gevaertですが、日本語ではアグファ・ゲヴァルトと読まれていますね。でも、ドイツ語ではVは「ファウ」なので、アグファ・ゲファールトの方が近いと思います(ドイツ語ではアルファベットの最後の5文字"VWXYZ"は、ファウ・ヴェー・イクス・ユプシロン・ツエットになります)。
 Revue(リフエ)をちゃんと読んでた八百富さんもゲヴァルトにしてましたね。

《レンズ緒言》
構成:10群11枚
画角:64°〜24°
最短撮影距離:250cm(38cm:マクロ時)
最小絞り:f:16
フィルタ径:φ67mm
寸法:φ70mm×91.5mm(実測値)
重量:571g(実測値)
参考価格(当時):\66,500(オリジナルのRE ZOOM AUTO TOPCOR)

at: 2023/06/18(Sun)
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