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RICOH XR-F EFA SYSTEM


“RICOH XR-F”

 国内ではフィルム・カメラから撤退してしまったリコーが、20年ほど前に海外でのみ販売したフォーカスエイド機です。

 軍艦部の正面右に“EFA SYSTEM”とありますが、これは“Electric Focus Assist”の略だったはずです。
 画像ではリケノンPレンズが付いてますが(注:画像は差し替え済み)、プログラムモードは使えませんので、P位置にするとf:22になってしまいます。

 リコーのカメラは以前XR-PとXR-Xを持っていたんですが、どっちよりもカメラとしてしっかり出来ている気がするのは気のせいでしょうか(笑)。
 ベースはXR-6で、2枚目の画像にあるように、シャッター・ダイヤルはL、A、X、Bの4ポジションだけ。このうちLはロックで電源OFFも兼ねています。

 で、このフォーカス・アシスト機能ですが、ファインダーのスプリット・イメージと全然合ってません。
 どうもおかしいなぁ、と思って合焦サインが出たところでファインダーから目を離してレンズの距離指標を見ると距離は合ってます。で、スプリット・イメージで合わせてレンズの距離指標を見ると、なんじゃこりゃ(笑)。
 どうも、フォーカシング・スクリーンがズレているようです。
 また、逆に近接域はEFAの方がアテにならないため、どうしたもんかと思案中です。このままではカメラとして役に立たないですからねぇ。
 実はミラーボックスだけじゃなく、ミラーもずれてまして、ミラー・アップしたときに収まる枠に激しくぶつかります。
 ミラー系のモルトもかなり逝ってまして、一部シャッタ膜にくっついてましたが(清掃済み)、全部直すにはミラーボックスを外さないといけないので、結構大変そうですね。

 フォーカス・センサは2枚目の画像にあるように、ミラーボックスの下にあり、メイン・ミラーの下にもう一枚ミラーを配置し(ミラー・アップするとたたまれます)、ハーフ・ミラーを通して距離センサに光を通しています。
 なお、軍艦部右にある“♪”マークのスイッチ(2枚目の画像の右側上)で合焦時の電子音のON/OFFを切り替えます(赤い指標が見えている状態でON)。
 グリップは電池ボックスも兼ねていて、4LR44/4SR44一個を使います(つまり6V)。
 なお、電池ボックスを兼ねるグリップの上部にあるLEDはセルフタイマーのインジケータで、巻き上げた状態でないと動作しません。

 カメラとしての基本機能はきっちりありますが、フォーカシングがアテにならないのはちょっと(^^;。一応、リコーには調整可能か聞いてみるつもりですが、ダメでしょうね。
 新宿の中古カメラ市場でXRワインダー付きの個体が長いこと店ざらしになっていましたが(今もあるのかな?)、ベースがAE専用機なのでアレはちょっと高すぎだと思いますね。

(2004/07/31:追記)
 ファインダーに結構埃が目立ったのと、フォーカシング・スクリーンが簡単に外せそうだったので、外しました。
 ハクバのスプレータイプのブロワー(ケンコーのは液化ガスが入ってるので下手に使うと痛い目にありますのでハクバを推奨します)でゴミを吹っ飛ばし、おもむろにフォーカシング・スクリーンの付いていた面を裏返して装着。
 ファインダーを覗く。嗚呼、綺麗だ。ヘリコイドを繰り出す。EFAと斜めスプリットがぴったり合った!
 そうか、これで難有りで安かったんだ。
 フォーカシング・スクリーンはマット面が下に来るのですが(簡易真空ピンセットが上手く使えない)外す前に触ったら、なんかそんな感じじゃなかったので、裏表を間違えていたようです。

 というわけで、ちょっとした荒療治で治りました。手数料と送料入れても一万円を大きく割ってるので、安い買い物だったかも。
 今回は試行だけだったので、崩れているミラー・クッション用のモルトを貼り直さなかったんですが、すぐにやっとかないと。

(2004/08/02:追記)
 上のパラグラフをちょっと訂正(済)。
 その後、モルトの張り直しと、スクリーンの超音波洗浄を行って再組み立てしました。さすがにフォーカシング・スクリーンは3回も外したので、ちょっと縁にキズがあります。スプリットにも汚れがあるんですが、取れなかった。中性洗剤入れた方が良かったかな。

(2004/08/29:追記)
 画像入れ替え。レンズをRikenon P 50mm f:1.7からXR Rikenon 55mm f:1.2に変更。

 主な緒言は以下の通り

外寸(D×W×H):50mm×136mm×86mm、重量:495g
シャッタースピード:1/1000〜1(sec:AE)、B、シンクロ:1/60(sec)?
ファインダー:視野率 90%、倍率 0.88倍
フィルム感度設定:(手動)ISO 12〜3200
露出補正:±2EV,1/3step
定価(当時):\--,---
国内発売:無し

 なお、画像の個体はリコーSLRの大家、Swampyさんにお譲りしました(じつはバックアップでもう一台あります。程度はこれより落ちますけどね)。
 その後いろいろありまして、都合4台帰国させました。うち1台は、YASHICA FX-Aとともに高岡市のミュゼふくおかカメラ館に寄贈しました(2009年7月17日)。



at: 2004/07/35(Sun)
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