TOP 
YASHICA FX-Aの謎
“FX-A Quartz” 画像提供:ドイツ“FOTO-HUPPERT”( http://www.Foto-Huppert.de )

Urgent notice!!
The images of this page was reused without notice and permission on the bulletin board in the CONTAX user's site in Korea.
I'm using these images in the favor of FOTO-HUPPERT in Germany.
I'm ashamed as the user who uses the same CONTAX camera and I think that it is pitiable action.
Will they not be ashamed?


 今は亡き、ヤシカ・ブランドの一眼レフがヤシカ時代から京セラ時代に移行する狭間に存在した、FX-Aという幻の販売モデルがある。
 ヤシカのFX系SLRは通常“FX-”の後ろは数字である。ただし例外もあって日本でも発売されている“FX-D”と、そのスペシャル版の“FX-D SE”(細かいアクセサリ仕様は違うが、厳密には同じモデル)、そしてこの“FX-A”なのだ。



これが“YASHICA FX-A Quartz”だ!

 わたしが最初“FX-A”というモデルを知ったのは米国のYASHICA CONTAXマウント以前のYASHICA SLRを研究している Alan Corey 氏のサイト“The Yashica Old SLR page”で、記述では販売台数はわずか400台。しかも米軍向けにのみリリースされたらしく、現存する個体はほとんど無いらしいと言うことだけだった。
 でも実際に存在した事は事実で、米国京セラのカメラのサイト(http://www.yashica.com/)にあるサービス情報には「修理サービス等が困難な機種」として掲載されているし、米国のカメラ修理業者のサイトの料金表にもしっかり、COTNAX 167MTやFX-Dと並んで同じ価格で掲載されている。

 外観形状で一番近い市販モデルはFX-Dで、軍艦部を正面から見て右手にFX-70と同じセルフタイマ・インジケータの四角形の赤いLEDがある。このため軍艦部は、シャッタ・スピード・ダイヤルのあるFX-70みたいな形状になる。
 あと、大きな特徴としてはボディ正面左側(手に構えると右側)に結構大きめのグリップがある。このグリップは軍事向けなので、ホールディング対策か何かの為に付けてるんだろうなぁ、と、勝手に解釈していた。



こちらは“YASHICA FX-70 Quartz”

 ところが、だ。先月のこと。Yahoo! Auctionで写真工業社の雑誌、写真工業の1982年12月号を手に入れたのだが、その号に掲載されていたフォトキナ'82のレポートを見て、びっくりした。
 そこに掲載されていた試作モデルYASHICAフォーカスエイド試作機がFX-Aにうり二つなのだ。唯一違うのは、セルフタイマ・インジケータの四角い赤のLEDが無いことくらい。それ以外は軍艦部に載っているダイヤル類や、AEロックレバー、オマケにグリップ部まで全く一緒。しかも、グリップは測距系駆動用の単3電池ホルダーだという記述まであるではないか!
(2004/12/01追記:掲示板で情報があり、FX-Aでは単3ではなく、単4だということがわかりました。いっかくさん、ありがとうございます)

果たして、FX-AはYASHICA唯一のフォーカスエイド機だったのだろうか?
(ってことは、CONTAX RXのご先祖様ということになる)

 と、いうことで、調査を始めようとしたのだが、身辺がごたごたし始め、ちょっとペンディングになっていた矢先。つい先週のことだが、このFX-Aのジャンク(シャッタ・マグネットが死んでいる)がなんとドイツのe-Bayに出品されたのだ。
 60ユーロ以下での落札だったので、たとえジャンクといえども、是が非でも入手したかったのだが、気づいたときには手遅れで、オークションが終了してしまっていた。
 シャッタ・マグネットの不動は主に磁力低下によるもので、ちょっとした埃でシャッタ・チャージの駆動が出来なくなるというもの。これはCONTAX 159MMでは良くある症状で、どうもFX-Aのシャッタ・ユニットは159MMと同じもののようなのだ。これなら京セラに持ち込めば数千円でリペア可能(完治じゃないが)なレベルである。
 地団駄踏んでも仕方がないし、オークションサイトに掲示されていた商品写真はFX-Aの特徴を完全に伝えることが出来る物で、やおらセラーにこのWebサイトで写真を使いたいので許可願えないかと頼んだのだ。すると、どうも先方は中古カメラを扱う写真機店で、どうも「こいつは将来客になる」と踏んだらしく、なんともっと大きな原版の写真を送ってきてくれた。

 それがこのサイトに掲載しているもので、原版を33%に縮小している。
 画像を見て頂ければわかる人ならすぐにわかると思うが、ミラー部分にフォーカス検出用のパターンがあるのだ。
 そう、やはりこのモデルは82年のフォトキナで発表されたヤシカ・フォーカスエイド試作機の市販モデルなのだ。

 このセラーの解説ではFX-Aはオーストリアで1,000台限定販売されたということなので、米国の400台と併せて、少なくとも1,400台は出荷されたことになる(下手すると、Zeiss T*レンズのレアもの、Sonnar 100mm f:3.5 T*より多いかも)。
 日本のカメラ・メーカの中ではどこよりも早くAF SLRを具現化させたメーカだけに、このモデルが日本で販売されなかった事が非常に悔やまれる。



FX-A Quartz 軍艦部

 ちょっとぶれてますが、FX-Dに酷似してます。単3電池用の大型グリップが特徴的。セルフタイマー・レバーの大きさはCONTAX 139 QuartzやFX-Dと同じように見えますが、パーツ自体はFX-70の物に近い雰囲気です。

 1枚目の画像を見ると、軍艦部はYASHICAの他のSLRカメラと異なり、CONTAX 159MMに近い形状です。恐らく中身もFX-Dではなく、159MMと共用部分が多いと思われます。
 このため、159MMの持病までも引きずっているのではないでしょうか?


FX-A Quartz 裏蓋部と、なんと取説

 この厚さだと4カ国語版なので、オーストリアだけではなく他の国でも販売する予定だった模様ですが、実際に販売されたかどうかは不明です。裏蓋はFX-D SEと同じタイプで、マグネット式のフィルム送給インジケータがあります。
 この個体は裏蓋の貼り皮がズルムケで無くなっているのが残念ですが、フィルム送給インジケータがあるということは、ワインダーのオプションもあったはずです(販売されたかどうかは不明)。YASHICA FX Winderや、FX 103 Winderは干渉する部分があるので、恐らくCONTAX 139 Winderが装着可能だったと思われます。



 というわけで、FX-Aのボディを探しています。譲って頂ける方はご一報を。価格応談いたします。
 一応、知り合いの中古カメラ店主にも頼んでるんですが、ちょっとムリでしょうねぇ。


at: 2004/04/21(Wed)
Copylight 2003-2009 by Masanori Okie
Any copy, reference and Hyper-link from commercial site (include e-Bay, Yahoo! Auction and any other auction sites) without permission is forbidden (non-commercial site is without this limitation).
商用サイト(特にe-Bay、Yahoo! Auction等のオークション・サイト)からの無許可のリンク、参照、転載は堅くお断りいたします。発見の場合は状況に応じ、ホスティングを行っている企業を含めて損害賠償を請求する場合があります。


TOP