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TOMINON 50mm f:1.2復刻版“KISTAR 55mm f:1.2”


木下光学 KISTAR 55mm f:1.2

 今でも評価が高いYASHINON/TOMINON 55mm f:1.2の復刻版です。
 何も考えないで買ってしまいました(笑)。

 実は、手元にはこの光学系のレンズはこれを入れて全部で5本(YASHICA ML 55mm f:1.2、YASHINON DS-M 55mmf:1.2、XR-Rikenon 55mm f:1.2、Rikenon-P 55mm f:1.2、と本品)ありまして、一応全部と比較してみたのですが、どれとも違っていて(笑)。
 Webの情報なんかを参照すると、ベースはYASHINON DX 55mm f:1.2(DS-Mの先代)のようなのですが、何故かYASHICA/CONTAXマウント。確かにPraktica Screw(所謂M42)マウントだと自動絞りの連動ピンが干渉するので後玉に切り欠きがあるんですが…。

 実はこのレンズ、自動絞り機構付いてないんですよね。

 まぁ、そのおかげでYASHICA MLと比較すると100g軽いんですが(ML 55mm f:1.2は410g。両手で持つとはっきり解るくらい違います)、そうであれば別にM42でも良かったんじゃ無いかと思います。その方が売れると思いますし。

 とは言うものの、このレンズは現代の硝材に合わせて光学設計の詰めもリファインされていますし、自動絞り排除で機構的にも無理をしていないので機械的な仕上げも非常に美しく、一種の工芸品の域に達していると思います。
 また、半受注生産のようで、木下光学に直接オーダーすると、準完成品を最終調整してから出荷しているようです。それ以外はレディ・メイドのようですね。

 製品の箱はメーカーロゴなどがデザインされているような一般的な化粧箱では無く、無味乾燥な見た目なんの変哲も無い普通の段ボール箱。でも、段ボール細工と言えるくらい緩衝性能が考慮されていました(おかげで開けるのに一苦労…笑)。あと、フロントキャップは55mmの金属製汎用品で、リアキャップもYCマウント用の汎用品。まぁ、これは仕方が無いですね。とは言え、さすがにちょっと気になったので保管時のリアキャップは手持ちのYASHICA ML用純正品に差し替えました。

 発注から受領まで木下光学のエンジニアの方とメールのやりとりをしたのですが、実際に生産に従事されている方はこのレンズの由来がどういうものなのかほとんどご存じないようで、一部話が噛み合わないという珍事がありました。

 テストしたいんですが、ボディは山のようにあるものの、フィルム・カメラなのでデジSLRみたいにほいほい出来ないのが、ちょっと悩ましい所ですね。

《2024/3/9:追記》
 捕捉をすっかり忘れていたのですが、木下光学さん、後年YCマウントリングを応用したバヨネット式メタル・リア・キャップを開発して販売しています。
 でもって、既存ユーザーの希望者には無償で配布していて、当然ながら入手してヤシカ純正プラ製リアキャップから換装しました。
 ちなみにヤシカMLレンズのリアキャップって、初期のY/CマウントZEISSレンズでも純正だったそうです。実際、一般的に知られているY/CマウントZEISSレンズ用の円柱形のリアキャップは接地面の円周がかなり小さいので安定性が微妙なんですよね。

《レンズ緒言》
構成:6群7枚
画角:43°
最短撮影距離:50cm
最小絞り:f:16
フィルタ径:φ55mm
寸法:φ64.5mm×56mm
重量:310g
国内定価:\131,000

at: 2016/06/25(Sat)
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