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三種類の“50mm f:1.9”


YASHICA DSB 50mm f:1.9/ML 50mm f:1.9/ML 50mm f:1.9c

 Y/Cマウントのf:1.9ファミリ

 この開放f値1.9のレンズは、当初YASHICA/CONTAXのレンズシステム・ファミリにはほとんど記載されておらず、主にボディにバンドルの形で販売された物です。唯一DSB 50mm f:1.9だけが80年代前半にカタログ・モデルだったようです。
 YASHICA銘のレンズはMLがマルチコートで、DSBがYASHINON DSから続くモノコート・レンズです。

 カタログ上の光学スペックは同一なのですが、バレル構造はてんでバラバラ、ML 50mm f:1.9cに至ってはバレルもレンズもプラスティックになっているため(なんとマウントもプラ!)、レンズ・エレメントも異なるようです。
 年代順にはDSB 50mm→ML 50mm→ML 50mm"c"となりますが、やはり一番古いDSBが最も造りが贅沢です。バレル端面が面取りされているのはY/Cマウントでもかなり初期型の物で、このタイプのf:1.7やf:1.4は結構珍重されています。

 バレルの面取りで生産時期がわかるんですが、極まれにごっちゃになっているレンズがあります(フォーカス・リングかフィルタ枠のいずれかが面取りタイプ)。それを珍重している人もいるようですが、それって修理品ですよ、きっと。
 1970年代の日本製品ですので、品質管理体制はかなり厳格。その手の“外観不良品”は市場に出荷されません。
 部品自体も互換性の多い物があるため、銘板がMLやDSBじゃないエラーレンズなんかも見かけますが、やっぱりニコイチの修理品だと思いますね。

 なお、"ML 50mm f:1.9c"の頃の"c"は中期の"compact"を示すものではなく、コシナのOEMを示す記号だそうで、レンズキャップなんかがコシナ製のレンズと全く同じです。ただし、この"c"は同一スペックの物が過去にない場合は付かないようです。

《レンズ緒言》
構成:4群6枚(DSB)/5群6枚(ML)
画角:46°
最短撮影距離:50cm
最小絞り:f:16
フィルタ径:φ52mm(DSB)/φ52mm(ML)/φ49mm(MLc)
寸法:φ62mm×40mm(DSB)/φ61mm×32mm(ML)/φ62.5mm×33.5mm(MLc)
重量:215g(DSB)/160g(ML)/105g(MLc)
国内定価(当時):DSB:\12,500/ML:\12,000/ML"c":\11,000


at: 2004/01/18(Sun)
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