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これぞ本物のBiogon、“Biogon 28mm f:2.8 T*


“Biogon 28mm f:2.8 T*

 CONTAX G1/G2用の広角レンズ。往年の名レンズ“Biogon”の再来!

 最近発表になり、ボチボチ販売が開始されるLeica Mマウントのコシナ製ZeissレンズはPlanarとBiogonに2系列なんですが、変形ガウス・タイプのPlanarはともかく、Biogonは「いったい、どのあたりがBiogonなんでしょうか、これ」と言えるくらい、エレメント構成、形状が“Biogon”からは逸脱しています。 
 かといって、Distagonかというと、これまたレトロ・フォーカス・タイプでも無いので、これまた使えません。

 実は本来の“Biogon”構成のレンズだと斜め入射がきついことから、CCD等の撮像素子には向いていないため、ああいう構成になったそうなんです。ですが、だったらすっぱり名称を変えるべきだったんでは? と、個人的には思っています。
 ライカなんかは、ヴィデオ用のレンズはディコマー(DICOMMAR)と言うように新しい名前作ってますしね。ソニーのヴィデオ用レンズをVario-Sonnarというのもちょっと抵抗あるんですよ。
 まぁそれ以前に、通常のロジック・デバイスなんかのパッシベーション(保護)膜が1μm以下なので、確か個体撮像素子の厚みってマイクロ・レンズやカラー・フィルタ、受光素子の素子自身の高を合計しても精々10μmオーダーの筈なので、フィルムの感光剤の厚さと大して変わらないんですけどね(もちろん基板の厚さは除きます)。
 なので、CCD用レンズと言われても、なんで設計変更が必要なのかよくわかりません。ましてや、色収差なんか演算で簡単に補正出来ますから、フィルム用設計のレンズでも実は困らない筈なんです。

 CONTAX Gマウントのレンズはサードパーティ製が無いため(まぁ、特殊なフランジバック長でもあるので、レンズ専業メーカでの新規開発はちょっと無謀)、結構孤高のマウントですし、特殊なスピゴット・マウント(しかも潤滑剤をアルミ素材に含浸させているという凝りよう)なので、扱いに若干注意が必要です。
 わたしも最初勘違いしたんですが、レンズをマウントから外した状態だと、絞り値の数字がかなりズレます。一瞬、オーバーインフか! と、ぎょっとなりますが、それで正常です。  

 Biogonを名乗るレンズがどういう特徴を持っているかを強調するために、今回はめずらしく前後の画像を示しています。
 本来、BiogonはPlanarの前後にワイド・コンバージョン・レンズを配置した形状なので、レンズの前玉と後玉が絞りを挟んでほぼ対称に成っています。これがBiogonの原型に最も近いものです。
 このG-Biogon 28mm f:2.8の場合は最後群が補正の為に2枚に別れている以外は非常に美しい対称配置になっています。
 これと比較すると同じG-Biogonでも、21mmはかなり怪しいです。

《レンズ緒言》
構成:5群7枚
画角:75°
最短撮影距離:50cm
最小絞り:f:22
フィルタ径:φ46mm
寸法:φ56mm×30.5mm
重量:150g
国内定価(当時):\57,000


at: 2004/12/04(Sat)
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