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Prakticar 20mm f:2.8/Frektogon 20mm f:2.8


Carl Zeiss Jena “Prakticar 20mm f:2.8”

 Carl Zeiss Jena製のPrakticar 20mm f:2.8、M42では超有名なレンズFlektogon 20mm f:2.8のPraktica Bayonet版です。

 以前から欲しくて溜まらないレンズだったんですが、ようやく$200という国内では考えられないような安価で入手できました(代理店のエレフォトの在庫はいまだに10万以上します)。スロバキアからやってきたんですが、Carl Zeiss JenaやMeyer Opticなんかのレンズは旧東欧圏ではまだかなり程度の良い物がゴロゴロしているようです。
 届いて、手持ちのBのボディ(こういう場合はたいていBMSですが)に装着して、ファインダーを覗いたときの印象は、衝撃でした。
 つい最近、歪みの補正ではピカイチの定評があるYASHICA ML 24mm f:2.8も入手し、そのファインダー像にびっくりしたんですが、これはそれを凌駕する衝撃を与えてくれました。
 計画経済のギリギリの条件下でよくこんな凄い物が設計できたものです。やはり往年のCarl Zeiss Jenaの光学技術力は凄いと思いますね。
 Carl Zeiss Jenaは東西統合後、双眼鏡部門(Doktor Opticsに売却)とレンズ部門(現在はライカ・マイクロエレクトロニクス系のJenoptics)を切り離し、今は工業顕微鏡メーカとして、半導体産業にも参入してきましたが、その血統がどうなってるのか、興味深いところです。

 わたしの入手した個体はエレメント内に埃らしいものはほとんど無く(全く無い、というのは無理な話です)、ガラスも非常にクリア。良い物を入手できました。
 Apo-Distagonと呼ばれている13群15枚の化け物、Carl Zeiss Distagon 21mm f:2.8 T*と対決させてみたいですが、あっちはとてもこんな価格では買えませんからねぇ。

《2023/08/03:追記》
 最近はミラーレス・カメラのアダプタが充実してきたおかげか、この手のオールド・レンズは高騰しているようで、M42マウントのFlektgonは海外だと10万オーバー、国内でも5万円台のようですね。Prakticarでも似たような価格のようです。価格が落ち込んでいたころに手に入れることが出来たのは幸運でしたね。

 あ、そうそう、PRAKTICARの読み方ですが、英語だとプラクティカーとなりますが、現代ドイツ語でも英語読みに近いプラクチカーの方が通じやすいと思います。
 ただ、プラクチカールも間違いじゃありません。ドイツ語で綴りの末尾が"er"や"ar"、"ur"なんかの単語が英語っぽい読み方に変化してきたのは1980年代くらいからで(現役学生の頃で、第二外国語はドイツ語を専攻、ドイツ語講師から最近変わってきたという趣旨の講義を受けました)、プラクチカ・レンズ群がバリバリの現役だった頃はまだまだ“プラクチカール”の方が主流でした。
 まぁ、それを言い出すとVario-Sonnarをバリオ・ゾナーと読むのもかなりおかしいんですけどね。ドイツ語の古い発音だと、ワリオ・ゾンナールが近いかな?

《レンズ緒言》
構成:8群9枚
画角:93°
最短撮影距離:20cm
最小絞り:f:22
フィルタ径:φ67mm
寸法:φ70mm×48mm
重量:310g
国内定価(当時):\115,000

Lumix S5、PB-EOS/EOS-Leica Lアダプタ中継、絞り開放、1/200 (2023/8/2 撮影)
at: 2004/03/01(Sun)
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