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57番台、YCマウントの試作品 Planar 50mm f:1.4 T* for Contarex


“Planar 50mm f:1.4 T*

 多分、幻のドイツ製ヤシカ/コンタックス・マウント用Planar 50mm/f1.4。
 ただし、Contarexマウント改造品(?)です。←あくまで私個人の見解です。
 これはCONTAX専門店「カメラの極楽堂」さんのWebサイトの資料ページにある写真の個体とわずか3番違いの製造番号の個体です。

 いや〜、これをe-Bayで見つけたときは興奮しました。実は少し前から黒鏡筒でContarex⇒Leica Mマウントのマウントアダプタを付けた57番台のPlanar 50mm/f:1.4が出品(香港のあほな中国人らしい)されていたのですが、$5000という価格設定で、とても手の出るものではありません。
 で、つい先日なのですが、なんとドイツのニュルンベルクのカメラ店から€849という破格値で出ていて、即決しようとしたらクレジットカードがロックされてしまっていて(あまり短時間で連続して越境決済するとロックされてしまうんですよね。しばらく待てば解除されるんですが)、翌日再即決。
 到着までが待ち遠しかったのなんの。こんな気持ちになったのは久しぶりです。
 んでもって、届いたのはアメリカから購入したあと、住所トラブルでいったん送り返されて再送してもらったマイクロフォーサーズ・マウントアダプタ付きのPlanar 50mm/f:2 for Contarexと同日という(^^;。

 しかし、なんという綺麗な個体。エレメントもクリアです。これで50年近く前のものなのか? と興奮冷めやらぬまま、早速マウントアダプタに噛ませたのですが、絞りが動かん!
 あれ? と、思ってマウント面をよく見たら、絞り連動環がない! でもって、なにやら関係ない位置に絞り連動ピン(板状ですが)らしいものがあるじゃないですか。しかも、この位置、ヤシカ/コンタックス・マウントのPlanarと比べたらほぼ同じ位置…。
 で、反対側(正確には真反対じゃないですが)の本来絞り連動環の切り欠きがあるあたりに謎のネジ穴が。しかも、一度も使った形跡がない!
 ただ、位置的にはヤシカ/コンタックス・マウントなんですが、動作範囲が倍くらいあるので、これはこれでヤシコンのボディでもAEは正しく使えないんじゃないかと。

 というわけで、安かった原因がわかりました。絞りが動かなきゃそりゃジャンク個体ですわ。それでこの値段はボッタクリじゃん、と思いましたが、工業製品としても貴重品なので、思い直しました。

 でもまぁ、そこは慣れたもの。眼鏡メンテ用のドライバーでネジ(なんとマイナス!)を外して付け替えました。



 絞りピンは上の画像のように右から左へ移動。本来Contarexの絞り連動は画像左(Planar 50mm f:2のマウント面)のようにピンではなくリング状のスプリング。

 これで動くだろうと、マウントアダプタに噛ませようとしたら、今度は入らない(;__)。なんでやねんと、マウントアダプタの絞りリングを開放/絞り込みと何回か動かしてみたら、f2.8の位置でストンと填まりました。
 Contarexの逆バヨネット(レンズではなく、ボディ側にバヨネット爪がある)式レンズは、本来絞りの連動はピンではなくボディ側の絞りピンをスプリング環の切り欠きに引っかける方式なので、装着してから絞り環を動かして引っかける必要があるのですが、このレンズは連動ピンなのでレンズ装着時にピンの位置を間違えると絞りが動かなくなる上に、解放位置だと干渉するようです。

 でもって、レンズを装着したら、絞り環がf:11〜f:22の2段しか動かない。このレンズの絞りはf:1.4〜f:16なので、f:11の位置がf:1.4、f:22の位置がf:16ということになります。なんという欠陥仕様。



 ちょっと見づらいですが、画像右の絞り解放時の指標位置はf:11。画像左はf:22(実際はf:16らしい)の位置だとこうなります。

 元々、ヤシカ/コンタックス・マウントで組上げたレンズに無理やりContarexマウントを捻じ込んだんじゃないか? という私の判断はあながち間違っていないと思います。
 所謂試作品が市場流出したものですね。ウチにはこの手のレンズはYASHICA ML 20mm/f:3.3(21mm/f3.5じゃないです)というというキワモノがあります。

 で、ウチにある他のPlanar 50mm f:1.4と比較してみたんですが、やはりというか、なんというか、前玉/後玉ともにヤシカ/コンタックス・マウントとそっくり、というか全く一緒です。下のデータにもありますが、鏡筒直径も同じです。



 これもちょっと解りづらいですが、後玉の大きさは一緒です。左は59番台のヤシカ/コンタックス・マウント。でもって、上はRollei SL35用“Planar 50mm f:1.4 HFT

 実際に使用する際には若干難がありますが(おそらく、本来のボディであるContarexではマトモに使えないんじゃないかと)、これ用のヤシカ/コンタックス・マウントを作れないか挑戦してみようかなと思っています。

《レンズ緒言》
構成:6群7枚
画角:45°
最短撮影距離:45cm
最小絞り:f:16
フィルタ径:φ55mm
寸法:φ62.5mm×43mm
重量:304g
国内定価(当時):あるわけないじゃん!



 今日、初めて行った堺市のYAMAGEN CAMERA。ヤシカ/コンタックス・マウントのPentacon 30mm f:3.5という珍レンズを購入してきました。これ、MeyerのLydithなんですが、最新型がケンコーから発売されてますね。


 結構被写界深度は浅いようですね。


 中百舌鳥古墳群が目と鼻の先なので、こういう道標が。


 最寄りの南海電車「堺東駅」。
at: 2021/08/28(Sun)
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