電磁気的前兆の方法論

最終更新日 99/10/30


神奈川県小田原市在住の足立です。菅原さんのご厚意によりこのページを開設しました。専用の機械を用いないB級的な電磁気前兆を捕らえる方法を公開します。
地震の前兆としてさまざまな電磁気な前兆が出ることはご存じだと思いますが、身近にある電機製品などで地震の前兆を捕らえられないかと思い、実験的に取り組んできました。地震予知に有効なものやそうでないものも混じっていますが、興味を持たれたものがあればぜひご自分で試してみて下さい。有効度を5段階(☆5つが最高)でつけました。

各種方法 有効度
 FMパルスノイズ ☆☆☆☆☆
 S字ノイズ ☆☆☆☆☆
 FM異常伝播 ☆☆☆☆
 垂直同期 ☆☆
 目覚まし時計 ☆☆
これまでのデータ 1999.6〜10

更新メモ


FMパルスノイズ 〔有効度☆☆☆☆☆〕       Top

地震に先行する電磁波の検出を目的としています。観測時間が0〜5時間程度と短く、エンジンや雷の電磁波も混入するためあまり信頼性の高いものではありませんが、なんとか実用的なものになっていると思います。

方法は、
1.ラジカセのトランスミッタで無音の電波を飛ばす。(注意1 放送局の周波数以外に調整する)(注意2 弱い電波なのであまり問題ないと思いますが、VHF帯の電波は人体によく吸収されるので健康を害する危険があります)
2.FMチューナーで受信、スピーカーから出た音を聞く。通常は無音、ノイズが入った場合だけプチパチという音が聞こえるので、その時間と強度(密度)を記録する。その際、雷やエンジンによるノイズは耳で聞き分けて排除する。

なぜ、トランスミッタで無音の電波を送信するのかというと、FMラジオの場合、放送局が受信されていない周波数はザーというホワイトノイズが出るので、パルス性のノイズを聞き分けることができないからです。またラジオ局の放送をそのまま聞いてもいいのですが、音楽が流れたりするとノイズが聞き取りにくくなります。AMラジオの場合はホワイトノイズがないので無音の電波を飛ばす必要がなく、放送局のない部分にチューニングして聞いていれば同様にパルス性のノイズを検知できます。

電磁波が飛んできた方向がわからないので、どのノイズがどこの活動に対応するかははっきりとはわかりませんが、ノイズの連続する時間や出方のパターンからある程度推定することは可能です。例えば、ノイズの発信源として一番多いと思われる神津島近海の場合3〜5分出て3〜5分休むパターンを繰り返します。それに対して陸域の比較的マグニチュードの大きな地震の場合30分以上連続して出ることが多いように思われます。よく短時間の5分前後のノイズが出ることがありますが、多くが神津島付近の小地震の前兆であると考えられ、無感地震で終わることが多いようです。
マグニチュードの比較的大きい活動の場合、何日にも渡って前兆が出、その先行時間は1〜7日程度と考えらえます。観測時間が短い中でもある程度前兆がキャッチできているということは、地震性電磁波が繰り返し出ているということであり、小さな地震は見逃しても、大きな地震はかなりの確率で予知可能であろうと考えます。電磁波が繰り返し出るパターンは今井式検知機AT-4REでも確認されており大きな特徴であるといえます。

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Fig.1  FMパルスノイズの概念図

S字ノイズ 〔有効度☆☆☆☆☆〕          Top

TV画面に出る白い縦縞やS字状の模様のことをS字型ノイズと呼んでいます。フジテレビにこのような模様が出ることが多く、7/27からは同局の放送を3時間置きに10分間録画し、24時間観測しています。レベルは5段階評価で、5が最大値です。
原理としては、受信電波または他局の電波が地震性の電離層に反射し映像に影響を与えているものと考えます。また、特に震源に近い場合地表付近の電場の変化により影響を与える可能性もあります。
7/18〜7/31まではかなり顕著に出ており、これは伊豆大島近海の群発地震の前兆であったと思われます。その後も弱く出続けましたが、9/25以降現在まで出ていません。
8/13のレベル4の前兆は色ズレを起こしており、それまでのものとはタイプが異なり、8/17に起きたトルコ地震の前兆であった可能性が高そうです。また、9/19のレベル4.5の前兆はゴーストが強くなりピーク時にはかなり画面の乱れがあり、9/21の台湾地震の前兆であったと思われます。M7.5以上の大型の地震の場合、かなり遠方でも前兆が出る可能性があるのではないでしょうか。
注意しなければならないのは、電波の強度(放送局からの距離)やアンテナの種類(VHFとUHF)によって前兆の出方が違うので、各々前兆の大きさと地震の大きさとの関係を知っておく必要があります。また、全ての局で出るとは限らず、一部の局で出ることの方が多いようです。

 SJI.jpg (41830 バイト) Fig.2 テレビS字ノイズの例

 

FM異常伝播 〔有効度☆☆☆☆〕          Top

地震性の電離層ができると通常受信できない電波が受かることがあります。例を上げますと神津島近海の活動が活発なときは、普段聞こえないビーチFMという逗子の局がよく入ります。神津島付近にできた電離層に電波が反射して届くようになるためと思われます。
Eスポ(スポラディックE層)と呼ばれる気象現象があるのですが、高度100km程の高さに電離層が平面状に拡がり電子密度が高いので、VHF帯の電波もよく反射します。この気象現象と地震性の電離層とを区別する必要がありますが、確実な方法を知りません。ただEスポの場合、昼間に出ることが多く、夜間21:00以降はほとんどでないため、夜に異常伝播があれば地震性のものである可能性が高くなります。
ついでに地震性の電離層について解説してみましょう。急激な地殻応力の増大により岩盤の微小破壊が起こり(ここで電磁波が発生)、地面が帯電し、電離層も静電誘導的に帯電します。また、地面と電離層は異なる電荷なので引き合うようになり、結果電離層がかなり下に引っ張られるようになるのです。と、いうのが一般的な見解ですが、まだはっきりとわかってはいないようなのでこれからの研究課題でしょう。
また受信されてチューニングランプが点いているのに復調できない場合があります。理由としては電波強度が小さかった、電波の質が悪くなっていたなどが考えられます。例としては、未明8/8以前〜8/17に88.3MHz、8/17〜9/23には90.3MHzにチューニングランプだけが点く不明な局が受信されていました。前者は8/17のトルコ地震、後者は9/21の台湾地震の前兆と考えることができます。前兆期間が長いのが特徴で、もしこういった前兆が出ればそのうちに大きな地震が起こることが予見できますが、発生した後まで前兆が続くため、いつ発生するかまではわかりません。台湾地震の前兆がトルコ地震の起きた8/17から始まっていることは興味深いことであり、地球規模の応力変化があったものと思われます。異常伝播についてはアマチュア無線の方が低い周波数を扱うことができるので、FMより有利でしょう。アマチュア無線を利用した地震予知に関しては東海アマチュア無線地震予知研究(http://www1.odn.ne.jp/cam22440/index.htm)のほうが詳しいのでそちらを参照することをお勧めします。

垂直同期 〔有効度☆☆〕              Top

テレビの垂直同期を画面が流れるギリギリのところにセットしておきます。異常時には電源を入れると画面が流れ、数分で元に戻ります。地震センサーとして使えるかどうかはよくわかりません。ただ、磁気嵐(太陽のプラズマ風による磁気撹乱)により地磁気活動が活発になったときによく反応しているので、直下もしくは近くで大きな地震に伴う地磁気変動があった場合は作動してくれるのではと期待しています。宇宙からの影響を取り除く必要はありそうですが..

 

目覚まし時計 〔有効度☆☆〕            Top

1台電子音のベルが鳴るオンボロ目覚まし時計があり、時折勝手にピピッピピッと鳴ることがあります。地震前兆との関係は不明ですが、おそらくある波長の電磁波をキャッチして鳴き出すのだろうと考えています。しかし、何でもない時でも叩けばこれまた鳴き出すような代物なので、信頼性には欠けます。逆に言えばものすごく敏感であるともいえるのですが..


これまでのデータ

DATA1.gif (20800 バイト)
DATA2.gif (19676 バイト)
DATA3.gif (9463 バイト)


(ご参考) FMシフト(80.0MHzのシフト量) Top

放送局の電波にチューニングしたときのセンター周波数のズレを記録します。例えば、80.0MHzの放送にチューニングすると実際は80.08MHzなどで受信され、この差0.08に10を掛けた値0.8をシフト量としています。この数字が何を意味するのか、なぜずれるのか自分でも正直言ってわかっていません。こんなものを測るきっかけとしては、もともと近距離のFM放送電波の強度を記録していた際、多くの周波数でチューニングが右の方(短波長側)にずれることがあったのです。これを7月の終わり頃から継続的に記録していったのですが、意外なことに気付きました。
8/17のトルコ地震の前の8/15にそれまで0.6であった数値が1.0に急に上がり、9/21の台湾大地震の場合には9/20に1.0であった数値が1.2に増えています。台湾の場合、トルコほど顕著ではありませんが、1.2という数値はその時点で極大レベルであり、その後1.0に落ちたものの9/24には1.3という極大値を記録し翌々日最大余震が発生しています。


このページに書かれた内容は100%正しいものではありません。私個人の思いこみや想像も含まれているので、ご自分で判断下さい。電機製品を使った電磁気的な異常を解説してきましたが、地震雲や動物の異常なども電磁的な異常を反映したものと考えられ、これらの宏観現象も重要であることは言うまでもないでしょう。これをきっかけにより一層電磁的前兆に興味を持って頂ければ幸いです。身近な電機製品が地震センサーに早変わりするかもしれないのですから。
最後にまとめを薦め、場所を提供して下さった菅原さんに感謝して終わりたいと思います。

[99.10.17 足立記]


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電磁気地震学の公開実験はこちら http://www.hi-ho.ne.jp/seijin/


更新メモ     1999/10/25タイトル変更 10/23原稿更新 10/22初回アップロード