1.1.AmityCN
何故かマイナーなAmityCNですが、この頃はやりの超薄型ノートと比べ、PCMCIAスロットを 2基備え、拡張ポート等も本体に内蔵している点が非常に素晴らしいです。
旅行等でトランクに入れ海外まで持っていったり、人に蹴飛ばされた(本体が空中を飛びました (^^; ) りした過去の体験が影響したのか内蔵HDDが異音(工事現場の切断音並み)を出すようになりました。 目覚まし時計より五月蠅いので、夜眠れません。 もともとのHDDは約2GBなのでwindows98下では少々手狭です。ここで、一気に現在(1999)の 最大容量(6GB)への換装をすることにしました。
1.1.1.ネジ
なんと、実際に分解したら内部のネジが緩んでいました。今まで一度も分解していない人は、一度内部のネジの締め増しを行っておいた方が良いでしょう。
1.2.感謝
今回の換装には非常に手間取りました(理由は後述)。しかし、 いろいろな方々が有益なヒントをインターネット上に公開しておられたため、 あの苦労にも挫折することなく換装に成功しました。ここに篤く御礼申し上げます。
最初何も情報を得ずに、まあ慣れているからと思って始めてしまいました。 すると実に丸2週間ほど仮組したままHDDの抜き差しを数十回という初めての体験をしました。 実際には、やり方さえ理解できていれば数時間でHDDの換装は行えるはずです。
1.3.何が難しいのか
現在のOSやデータも含めてさくさくっと移行に成功するはずだったのですが。
特に難しいのは次の2点です。知ってさえいれば比較的簡単にクリアできます。
1.3.1.HDDを外すまで。
私は雑誌「Mobile PC 1998/07」を参考にしました。が、私の実力不足の為、途中で失敗してAmityCNを 破壊してしまいました。(ドライバーでケーブルをコネクタから外そうとしていたら、 コネクタを基盤からむしり取ってしまいました) 記事でも指摘されていた箇所ではあるのですが、コネクタの外し方が本当に 難しいです。後で知りましたが、ミランドラさんのサイト(バステト神殿別館) に 実に詳しい手順が公開されています。(特に白いコネクタの部分)
※ 一度経験してしまえば、後は気を使うものの、それほど時間は掛からなくなりました。
1.3.2.HDDを認識させるまで。
何故難しいのかというと、AmityCNに積まれているノート用Phoenix BIOSが難しいのです。
どう難しいかというと、
・買ったばかりのHDDをそのまま内蔵しても認識されない。
・内蔵HDDを正しく認識しないと、FDDからのブートさえ出来なくなる。
-> これではFDISK出来ない。
・内蔵HDDを正しく認識しないと、BIOSのセットアップさえ出来なくなる(ことがある)。
・更に上記事項はリセット、もしくは電源断を 何回か組み合わせて行うと別な状態
(上記のいづれか、もしくは下記状態)に変化する。
・BIOSの設定が勝手にHDD無しとなって、FDDよりブート可能になる。
(これではFDISK出来ないので意味無し)
です。忌まわしきは
Operating system not found
もしくは
の画面。
1.4.対策
というわけで、なんらかの手段で新しいHDDをAmityに認識させてあげる必要があります。
色々な方法がありますが、私の場合は「今まで使っていた環境をそのまま移したい」という 第一目標があったためDriveImageを使いました。RATOCなどのSCSIカードをDOSで認識させて (RATOCのSCSIカードにはDOSでカードを認識させるイネーブラが付いていました) MO経由で旧HDDから新HDDにデータを移す手段も有るのですが、その時手元に230MOしかなかったので次に述べる方法を用いました。
単にHDDからHDDへダイレクトにデータを移す
です。 外付けにするなり別なPCを用意するなり して初期化(&データのコピー)を行います。
※ なお、私は試せませんでしたがミランドラさんが公開されている 方法 (新HDDをAmityCNにそのまま内蔵させるときに上手く認識させる手順)があります。
2.1.用意した物
・AmityCN(笑)
・新HDD
私の場合はTOSHIBA MK-6412MAT(8.5mm High)(C=13424,H=15,S=63)
・「DriveImage」(HDDの内容をコピーする市販のツールです)
・IDE HDDのC,H,Sを調べるツール。(必須)
私の場合はwdcの「dlgchk.exe」を用いました。
(方法1)
・外付け用HDDケース(2.5用)&専用PCMCIAカード
・「Card ware for DOS」上記をDOS上で認識させるための市販ドライバ。
(方法2)
・別PC(3.5->2.5変換ケーブル使用)
私の場合はVAIO R50。
・プラスドライバー(2種)
・マイナスドライバー2本(分解、取り外し用)
(おまけ)
・外付けディスプレイ
・はんだごて&はんだ
・テスター
2.2.準備
・三菱電機のユーティリティで、外部CRT&液晶の両方に表示される設定にしておく。
(液晶への配線を切ってしまったときの為)
・Amity用のFD(ユーティリティ)を作成しておく。
・内蔵HDDのC,H,Sをツールで測定しておく。ついでに、BIOSの設定もメモ。
(・PHDISK /DELETE /{PARTITION|FILE} 必要があるかどうか不明ですが、行いました)
※ 大容量HDDの場合LBAは必ずenableにして下さい。
※ 現在、私の場合転送モードはPIO3、マルチセクタリードはdisabledにしています。 いろいろ試せば良いのでしょうが、運が悪いとBIOSの再セットアップに入れなくなってしまう ので暫定でこの設定にしています。2.3.方法1
運がよければこの方法で成功する筈です。私はここで躓いて思いっきり悩みました。
単に旧HDD(内蔵) -> 新HDD(外付け)へ全セクタコピーを行う。
これで普通ならば上手く行くはずですが、「operating system not found」なるエラー メッセージが出て悩まされました。その時の私にはIDE HDDの仕組みが判っていなかったのです。
まずはきちんと調べてみましょう。IDE HDDのC,H,Sを調べるツールにて、外付けした新HDDのC,H,Sをメモして下さい。次に、 新HDDをフォーマット(&データコピー)してAmityに内蔵させて下さい。なんとかして 新HDDをAmityに認識させてFDDより起動して下さい。ここで、先ほどのツールで内蔵した新HDDの C,H,Sをメモして下さい(INT 13Hに該当する箇所)。この2つの値(新HDDの内蔵時と外付け時) が同じであれば問題ありません。 成功です。
私の場合は失敗しました(値が異なっていたから)。 これは、IDE HDDを扱うBIOSの問題(詳しくはインターネット上に 「ディスクのジオメトリと1024シリンダ制限のすべて」 という文書があるようですのでこちらをご参照下さい)+αです。 要は同じHDDであっても、BIOSによって(またモードによっても)違う物として扱われるということです。 更に私の場合は、内蔵と外付けで同じHDDが違う物として扱われたために失敗していたのでした (これはBIOSというよりもCardwareかATAカードの為であるかも)。
手順を詳しく書きますと、
- 外付けの新HDDに書き込む時のAmityのBIOSの設定は、内蔵のHDDが読める設定でなくてはなりません。
- このときの外付けの新HDDのC,H,Sの値をAとします。
- 外付けの新HDDに内蔵旧HDDの全データをコピーします。(DriveImage使用)
- 新HDDを内蔵するときに(正確には換装直前に)BIOSの設定を新HDDに記されているCHSの値にします(※1)。
- AmityがFDDよりブートするよう頑張ります。(リセットとか、電源断とかBIOS設定など{HDDのCHS以外})
- 内蔵した新HDDのC,H,Sの値をB。
- 運良くC,H,Sの値がAとBで一致していれば悩むことはありません。成功です。(※2)
- ただ、基本として、HDDに書かれているCHSの値を(※1)で設定しますが、これですとまずAとBが合いません。
駄目な場合は(※1)の値を適当に変えます。これでAとBを上手く一致させることが出来れば それで良いはずです。しかし、私の場合いろいろ試行錯誤したものの、式(値)が判らずに断念 しました。
(例)
・BIOSをC=13424,H=15,S=63に設定した場合。(HDDのラベル通り)
私の場合、元々の内蔵2G時BIOS(の設定)はAUTOで、C=4200,H=16,S=63でした。 この条件で新HDDを外付けで作成するとC=839,H=240,S=63 (6495MB)になってしまいました。 これが私の場合のA。 この新HDDを以下の条件でAmityCNに内蔵すると次の通りとなりました。
Bは C=788,H=255,S=63 (6917MB) 不一致。・BIOSをC=13424,H=16,S=63に設定した場合。(少しAに近づける為)
Bは C=841,H=255,S=63 (6917MB) 不一致。※2: 実はC,H,Sの値が一致していなくても、FDからHDDを認識した状態(FDISK可能な状態)で 正常に起動したならば、有る意味成功です。というのは、内蔵の旧HDDからコピーした データをもはや信頼することは出来ませんが、そのままFDISKを実行して内蔵した新HDDを初期化し OSから入れ直すという方法が取れるからです。
2.3.方法2
備え有れば憂い無し。ということでDeskTop PC(何故かVAIOの方がAmityの備え)で HDDを作ります。要は方法1で新HDDをAmityに内蔵したときの(Bの)C,H,SになるようにDeskTop PCの BIOSを設定してしまえば良いのです。しかし、私ははまりました。 悩みまくりましたがNiftyのFVAIOでNOZAKIさんの書き込みを見るまで真相に気づきません でした。 そう、DeskTop PCのBIOSをせっかく設定してもBIOSはAmityのHDDを調べて、勝手に設定をAmityの HDDに合わせてしまっていたからなのでした(なんとBIOSで指定した値を無視して、 実際には(LBA,LARGE,NORMALどのモードでも)元のC=839,H=240,S=63の ままだったのです)。
一度FDISKで領域を全て開放して再起動を掛ける必要があります。
※ 要注意:LBA modeを使うので、DesktopPCのBIOSはLBA modeで C=788,H=255,S=63にします(normal modeに換算すればC=13424,H=15,S=63)。これがA。 一方AmityCNのBOISはC=13424,H=15,S=63にして、LBAをENABLEにします。これを計測すると BはC=788,H=255,S=63となります。
これで、C,H,Sの値がAmityに内蔵しても、DesktopPCで扱っても同じになるのでHDDの 換装に成功。※ なお、VAIOではCの値がAmityより1多く表示されました(C=789,H=255,S=63 (LBA mode))が、 「Partition Magic」のマニュアルの補足を参考にすると、今回の(私の)換装(6GB中2GB確保) には影響ない物と思われます。 (当然、領域を全て確保してはいけない筈です。{余計な最終シリンダを使ってしまうから})
(c)S_K 作成:1999/08/18
更新:1999/08/31