錦鯉の飼い方 水槽編
必要なもの

■水槽 
最低でも60センチ水槽、できれば90センチ水槽は欲しいところです。ホームセンターで安く売っています。

■水槽台
これもホームセンターで売っています。

■照明
鯉が綺麗に見えます。

■濾過器
上部フィルターか外部フィルター(上部フィルターの方が取り扱いが簡単で初心者向けです)が必要です。
バクテリア(濾過細菌)が繁殖して水質が安定するまでは水換えを頻繁に行いましょう。
水質が安定するまで、約1ヶ月かかります。それまでは、2、3日に1回 1/3〜1/5の水換えで水質の改善を図ります。

■濾材
たいていホームセンターなどでは濾過器とセットになっていることが多いです。鯉の糞は大きいので、目詰まりしにくい
ものを選びましょう。リング状の濾材、バイオボール、荒目のマットなどがオススメです。

■フタ
錦鯉を飼う際は非常に重要です。他の魚に比べて飛び出し事故の確率が高いです。特に新入りは飛び出しやすいです。
購入直後は特に注意しましょう。

■エアポンプ・エアストーン
濾過器で十分酸素が取り込めるのですが、無いよりは有ったほうがいいです。
 
■ヒーター・サーモスタット
当歳魚はあったほうがいいです。冬期は20℃前後に保って下さい。
※水換えの際、一気に冷たい水を水槽内にいれないよう注意して下さい。鯉は温度差に敏感で、体調を壊してしまいます。

■水温計
必要です。ただし、ガラス棒状のものよりデジタル水温計がおすすめです。ガラス棒状は誤差が大きく信用性は低いです。
しかもガラス棒状は鯉がある程度のサイズになると破壊されてしまい危険です。

■餌
錦鯉用の餌を与えてください。冬期は消化の良い「胚芽入り」や「低水温用」と書いているものを与えてください。色揚用は
消化に悪いので、冬期は控えたほうがよいでしょう。キョーリンの餌がおすすめです。(特に咲ひかり)

■水槽内のアクセサリー
必要ありません。鯉の体を傷つける心配があります。

■水草
必要ありません。鯉に食べられてしまいます。植物濾過として、濾過槽にホテイ草、スイレン、ミントを浮かべて植物濾過
されてる方もいらっしゃいますが、管理が難しくなるかもしれません。

■砂利
基本的には必要ありませんが、砂利を敷いている方は結構いらっしゃいます。メリットは照明の反射を減らし、鯉を精神的
に落ち着かせる効果。デメリットは掃除がしにくい。病気になった時、細菌の温床になる。私は無くていいと思ってます。

錦鯉を水槽に入れる手順

■温度合わせ
まずは袋のまま、水槽に浮かべてください。30分〜1時間したら、鯉だけを水槽の中に入れます。
※満タンの水槽に袋を浮かべると、水が溢れてしまいます。予め5〜10リットルほど水を抜いておきましょう。

■塩水浴
到着後、3日間以上、0.6%塩水浴(水10gあたり塩60c)を行います。塩水浴期間中に水換えする時は、濃度を同じに
保って下さい。塩水浴期間終了後、1/3〜1/4ずつ水換えを行い、何日かかけて徐々に塩分を抜いていきます。一気に
大量水換えを行うと体調が悪くなる可能性があります。塩水浴中は鯉の消化能力が低下しています。餌はやらないのが
ベストです。餌やり開始時は極少量にして下さい。

冬期の注意点

■眠り病
鯉特有の病気です。特に当歳魚が水温低下時にかかりやすいです。
症状:鯉が眠ったように横になり、一見死んだかのように見えますが、物音などには敏感に反応します。
対策:水温を25℃以上に上げ、エルバージュ+0.6%の塩水浴で治療。治ったように見えても、水温25℃、塩水浴は
7〜10日間継続して下さい。じっくり治さないと、他の魚にも伝染します。

■乳頭腫症
低水温時にできるイボのようなものです。
症状:体に半透明の白いロウのようなものが付着します。死ぬことはありませんが、見た目が悪くなります。
対策:水温を25℃以上に上げて、2週間以上様子を見ます。感染するし再発しやすいのでじっくり治します。
対策2(効果は抜群ですが、あまり一般的では無いので自己責任でお願いします)
水温は21℃以上、0.6%塩水浴、10リットルあたり1ccの木酢液を投入。
ヒトのイボに木酢液が効果があるので、それを応用した技です。木酢液には強い殺菌効果があります。
ホームセンターの園芸コーナーで売っているもので構いません。ただし、商品によって濃度が違うので注意。
体感的なものですが、単純に水温を25℃以上上げる時よりも、2倍くらいのスピードで治っていきます。
21℃で十分治るので、ヒーター代の節約にもなります。再発率も低いです。

■水換え時
冬期、ヒーターなどで加温している場合は、水換えにより水槽内の温度が一気に低下してしまいます。これを防ぐために、
一度バケツに新水をため、ヒーターで加温して水槽内と同じ温度にして下さい。それが面倒な場合、注水を複数回に分け
て行って下さい。注水時、一気に2℃下がるまでならなんとかなりますが、3℃も下がると体調を崩す鯉が出てきます。
緊急時はお湯を使っても良いでしょう。お湯を使う場合は熱くなりすぎないように気をつけて下さい。

その他の注意点

■鯉は水温の変化にとても敏感です。
温度の上げ下げの幅について、上げる時は2℃まで、下げるときは1℃までを限度として下さい。
例:15℃から20℃に上げる時→1日に2℃ずつ上げ、3日目に20℃に設定して下さい。
  25℃から20℃に下げる時→1日に1℃ずつ下げ、5日目に20℃に設定して下さい。


■餌を与えすぎない
餌は5分以内に食べきる量が最大値です。はじめのうちは時計やタイマーを使って適量を調べて下さい。鯉はたとえ満腹
になっても餌をねだってきますが、そこは我慢して下さい。与えすぎで消化不良・水質悪化になると鯉の為にもなりません。

■水温が12度を切ったら餌を与えない。
低水温時、鯉の消化能力は極端に低下します。15℃を切るくらいから餌の量は徐々に減らしていきます。
15℃で餌切り
される方もいらっしゃいます。最近は早目の餌切りが主流のようです。


■金魚・熱帯魚・川魚等との混泳は絶対に避けてください。
鯉にだけ発症するウイルス(コイヘルペス)を持ち込んでしまう可能性があります。河川・湖の水を使用することも厳禁です。

水質について

■水質には特に気をつけて下さい。
アンモニアや亜硝酸が増えると病気にかかりやすくなり、最悪の場合死んでしまいます。アンモニア・亜硝酸の濃度は
水質測定キットを用いて測定するのが確実です。水の色・ニオイでも水質悪化がある程度は判断できます。白く濁った
時・嫌な臭いがした時はすぐに水換えしましょう。水槽立ち上げ初期は水換えの頻度が多くなりますが、1ヶ月もすれば
バクテリアが繁殖し水質が安定してきます。

水槽立ち上げ初期は餌を控えめに与えてください。
1分以内に食べきる量で十分です。最初は濾過器内にバクテリアが繁殖していないため、水が白く濁ることが多いです。
バクテリアが繁殖して水質が安定してくるのは1ヶ月経ってからです。水質が一旦安定すれば、5分以内に食べきる量
を与えても問題ないです。
※市販でバクテリアの素が売っています。それらを用いるときは塩水浴期間終了後にして下さい。塩水浴と併用すると、
バクテリアにダメージを与え、十分に機能しません。












       清水家の鯉 -姫路ゆめさき-