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子育て最前線より(読売新聞・家庭とくらし欄)


 1998年3月20日付の読売新聞の「子育て最前線欄」の京都大霊長類研究所助教授の正高信男氏によれば、今の母親は、戦後のきょうだいも少なく、周りに赤ちゃんなどいない核家族社会が急速に浸透した社会のツケを抱えて生まれた数世代目にあたるとのこと。だから実際に、いざ子どもと接した時に何をどうしたらいいのか解らなくて「母親になれない」と育児不安におちいるという構造が、今の実情の様に思うとも言っておられる。

 実際教室などでのお母さんの質問は「子どもに色々教えてやりたいと思うが、何からどのように教えるのか分からない」とか「育児に自信がない。私を親にするこの子は不幸」とか「夜泣きをするが、その程度がひどい。おかしいんじゃないか」とか「言う事を聞かない。このまま大人になってしまったらどうしよう」とか「よく泣く、いじめられっこにならないか」とかいったものが多い。

 そして“誰に聞けばいいか分からない”“自分の母親に聞いても教えてくれない”“自分がどれぐらい悩んでいるのか誰も分かってくれない”“自分が一人で悩んでいる事がどれぐらい大きい事なのかあるいは小さいことなのか分からない”等と言われる。

 そこで先ずとにかくお母さんの悩みに耳を傾け、どこのところで不安を感じているのかを確かめる。そして具体的にどのように話かけたらいいのかということをアドバイスする。そして最後に子どもの今の行動の意味を、子どもの成長発達の段階上から見てなるべくしてなってる事なのか、両親の対応が悪くてなっているのかと言う事等をお話ししていく。

 そこでお母さんに納得してもらう事が出来ると、もう大丈夫だといえる。そうすると母親から出るエネルギーが安心のエネルギーに変り、子どもが落ち着く。子どもが落ち着くから親も落ち着く。と言う具合にいい方に回りはじめる。その為には先ず一番大事な事はやはりお母さんが安心する事だといえる。

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