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お墓


 「夫婦って何だと思いますか?」って尋ねられた時に、私は「同じお墓に入る関係」と答えていた。前の主人の家のお墓は大阪市内にあり、お寺の敷地内におよそ100程のお墓があった。都会では当たり前だけれど、私のイメージのお墓は、田舎のお墓で、そのギャップは大きかった。

 結婚して子育ても大方終わり、自分の死を意識するようになると“もし、自分が死んであのお墓に入るのか”と思うだけで憂うつになった。

 塀に囲まれて、ちんまりとした有り様は、もう嫌で嫌でしかたがなかった。

 一方、田舎のお墓は小高い山のようになっていて、とても大きい。道とお墓の境界もあやふやで、通勤の途上にでも見えている。真ん中に生えている大きな松ノ木の、寂しげでいかにもお墓って感じの寂れ方も気に入っている。

 離婚をした時、姉に田舎のお墓に入りたいって言ったら“まだ若いのに年寄りくさい事を言う”と怒られた。

 でも正直な私の気持ち。

 私はどこのどんなお墓に入るのかなあ。

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