[一からの幼稚園・小学校受験][ホームページ]

子どもに“納得して”受験をさせる為に


 しっかりした子ほど、自分なりの考えをはっきり持っている事が多いように 思います。親がいいと思っている園や学校と子どもが行きたいと思っていると ころが違う場合に対して参考にしてほしいと思います。

 幼稚園受験の場合は、まだ子ども自身がどこかの幼稚園に行きたいという意 識は、余りないように思います。しかし、過去の私の経験で、試験官に「この園 は嫌い」 と言ったのは幼稚園受験だったので、やはり親としては子どもが“まだ分かっ ていないから連れて行けばなんとかなるだろう”という気持で試験に臨むのは 危険です。特に近所に幼稚園があり、仲良しの子ども達は皆そこに行くという 場合などは大抵そこに行きたがりますので。

 出来れば、お母さんが中心になって“どうして志望する幼稚園に行ってほし いと願うのか”という事を子どもさんに分かるように説明をしてあげてほしい と思います。その説明は、子どもが精神的に幼い子だと表面的なことで納得し てくれる事が多いですが、物事の道理が少しづつ分かってきている子どもは、 親の建前では納得しない場合もあります。その場合は毎日、親が志望する園は こういう園で、こんないいところがあるとか、親としてはこの園のここが良い と思うなどと言って説得します。例えば制服が可愛いとか、うさぎがいるとか、園庭 の乗り物で好きなものがあればその事をいうなどです。

 そして、ことある毎にその園へ足を運び、機会があれば先生や、園児に声を かけてもらうということをやってみます。そして子どもに“あそこの園は、お 母さんがあんなに言うんだから行ってみようかな”と思ってもらうということ です。やはり、何と言っても子どもはお母さんが大好きですし、お母さんの希 望に添いたいと思っています。だから、お母さんが誠心誠意子どもに頼む事で す。

 小学校受験の場合も基本的には同じです。まず、親の希望する小学校のパン フレットがあれば一緒に見て、どういう小学校なのかという事について一緒に 情報集めをします。そして、どうして受けてほしいと思うのか、親としては小 学校のどういうところが好きなのかを言って聞かせます。もちろん小学校へも一緒に足を運びます。

 一方、子どもの気持も充分聞き、気持の受け入れもします。その上で、親御 さんが子どもの希望を聞かれるのも1つの方法ですし、もうひと押しして、そ れでもなお且つ親として自分の子どもにはこの小学校に行ってほしいと願って いるというような事を、それこそ真剣に伝えます。

 そこに親のエゴがあったとしても、親が本当に自分の気持に正直になって接 すれば、子どもは大抵の場合は分かってくれます。子どもを1人の人間として 相対してしっかりと向き合い、とことん子どもの視点まで降りて子どもに「頼 む」ということをされることによって、親として成長されるご両親もあります。

 少し今回の主題から外れるかもしれませんが、特に小学校受験の醍醐味はこ こにあるなあと個人的には思っています。

 実際、親の面接で聞かれる事として、家庭の教育方針とか、自分の子どもは どんな子どもかとか、どんな人間になってほしいかなど、また、父親の人生観 を尋ねられる事もあります。子どもがこのような年齢の時にこんなに真剣に子 どもと相対する事などほかにあるでしょうか。

 家庭の教育方針等という事は両親で額を寄せ合って考えられ、大抵は 考えあぐねて、相談に来られる事が多いわけですが。

 でも、我が子の幼稚園や小学校の受験を機会にして、大抵の親御さんが、結 婚して子どもが生まれて、この子どもにどういう人間になってほしいと願って いるのかという、親としての切ない本音を再確認されているように思います。 ご両親それぞれが、又子どもが“家族として成長”される事が多いようです。

 それにしても、お父さんが娘さんに対して「どんな子どもさんになってほし いと思われるか」と尋ねると大抵「どんなんて、もう元気で、優しくて、機嫌 ようしてくれてたらいいです」という答えが多い。ところが男の子だと注文が 出て来るが。

 父親としての「切ない本音」をヒシヒシと感じます。

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