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文字をどのように教えるか(2)


 小学校受験の為の文字指導について。

 前回、前々回にも書きましたように、建前としては一応「小学校受験に対し て、文字は出題されない。従って、文字を教える必要はない」ということにな っています。

 大抵の受験の為の教室でも、カリキュラムとして文字を教えるということは ありません。しかし、やはり色々な面から考えてみて、私個人としては教えて おいた方が良いと思っています。その理由としてはもう過去のメールマガジン にも書きましたので省略します。

 文字を教えるということは、受験ということを除けば、幼児教育者にとって は、一番大きな課題です。しかし、今は「小学校受験のための文字指導」に限 って書きます。

 受験迄の限られた時間の中で、とりあえずは50音、濁音、半濁音の読みを 目標とします。

 具体的な方法としては

1、50音のひらがな表を、家の中で貼れるところに貼っておく。色々な大きさがあればいい。また、色々な種類があってもいい。子供部屋。台所の冷蔵庫の扉。トイレ。廊下など。

2、先ずは「絵」に興味を持って、絵の名前を聞いてきたらそれを教える。ついでに横に書いてある字を1回だけ教える。この時にしつこくならないことに気を付ける。

3、1日に1回〜2回、次の事をする。
お母さん「あ」、子ども「あ」、お母さん「い」、子ども「い」、、、、、というふうに一文字づつ、指で押さえながら復唱させていく。

 そして、まだ、子どもがその事に興味をもっているなら、次のことを一回だけする。お母さん「あ、い、う、え、お、」子ども「あ、い、う、え、お、」と行毎に繰り返させる。

 以上のように、1日1〜2回、50音表を見ながら、お母さんの模倣をさせるというやりかたで教える。

4、合間に子どもの名前の文字を表から見つける。例えば「お・お・す・み・し・ず・か」とか「い・の・う・え・た・か・の・り」というふうに。家族全員の名前の文字を見つける。

5、色々な「物の名前」を表からさがす。例えば「いちご」の「い」と「ち」と「ご」をさがす。

6、50音表の字を使って「単語づくり」をする。例えば「い」と「し」で「いし」とか「す」と「い」と「か」で「すいか」とか。

 以上のような「文字遊び」を、ひらがな表の前を通りかかった時などに、時間を取らないでチョコチョコとする。

7、同時に名前を書くことを指導する。
   この時の留意点としては
     ・鉛筆の持ち方を正しく持つよう指導すること。
     ・書き順と方向を正しく教えること。
 その為に「文字の書き」の時は、子どもの横について、きちんと教えることが大切です。ややもすると、一人で書きたがることがあり、見ていないと書き順や方向を間違う。  

 余談ですが、文字が自然に書けるようになった子は、書き順と方向がでたらめなことが多く、これを後から矯正するのにすごいエネルギーを要することが多いです。

 文字がきちんと書けるようになると同時に図形も出来るようになる子も多い です。

 また、文字で自分の気持ちが表わせるようになると、急に落ち着いたりお友 達と上手に遊べるようになったりすることもあります。

 そんな時には子どもにとっての「文字による自己表現」の大切さを再認識さ せられ、嬉しくてお母さんと一緒に手を取り合って泣いたこともあります。

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