[一からの幼稚園・小学校受験][ホームページ]

話の記憶について


 話しの記憶に関しては、幼稚園では今までのところ出題されていません。今 回は小学校受験のみということで書きます。

 これは、話をしてどれぐらい覚えているかという問題です。

 例としては、色々な動物達がピクニックに行き何々をしました。その時の様子はこうでした。例えば、うさぎさんはその時に転んで泣いてしまいました云々というような話がカセットテープから流れます。

 そして、その話について問題が出されます。 色々な動物が描いてある欄を見るように指示があり、「動物さん達は誰と誰が行きましたか、行った動物さん全部に赤のクーピーで○をつけましょう」といったような問題です。
 次ぎに「今度はどこどこをみましょう。色々な遊びが描いてありますが、動物さん達はこの絵のどれと同じ遊びをしましたか。ちょうど良いと思う絵に茶色のクーピーで△をつけましょう」といった具合です。

 話は普通1回です。その時のテスターの言葉は「これからお話しをしますからよく聞きましょう。後で、色々聞きますからしっかり聞きましょうね」といった具合です。

 そして、テープから話しが流れ、質問もテープから聞こえてきます。話しの記憶の場合、途中で子ども側からの質問は出来ません。だから、ここで求められているものは“究極の集中力”です。聞き逃したら、もうその問題についてはあきらめるしかありません。

 子どもがちょっとでも質問の意味が分からなくて、どうして良いか分からなくてもたもたしていると、あっという間に1枚のプリントの「話しの記憶」は得点がない状態で、終わってしまいます。

 又、指示が「赤のクーピーで○をつける」に対しては、色が違っていても、印が違っていても不正解です。話はちゃんと聞いていながら、最後の指示が聞けなくて点につながらない事が往々にしてあります。

 話しの記憶に対しての練習は、次のような事を心がけ、また練習をされる事をお勧めします。

 先ず、人の話しを聞けるようにすることです。その為には、お母さんお父さんが、子どもの話しを最後まで聞いてやるということが第一段階です。
 子どもが今話している事を、親自身がこの子はどんな気持ちでどんな事を言おうとしているのかということを、集中して最後までしっかり聞くことです。

 それに対しての親の返事を、子どももしっかり集中して聞く、という日常の態度が出来ていると、日常の延長として聞けるようになります。

 それと共に、次のようなことを練習して下さい。

1、復唱
 「今日は暑いので、お庭にプールを出して遊びました」というような文章を適当に作り、お母さんが初めに言い、次ぎに子どもに言わせます。この例文は6文節だから、少し長くて言えない子どもさんにはもっと簡単な2、3文節のものから、段々長くする。
 ※人の話を聞く練習として、手軽に出来て一番効果のある方法です。子ども達は少しでもよそ見をしていると復唱はできません。その意味でも、少しずつ毎日やってみる事です。

2、逆唱
 「2ー5ー4」を反対から「4ー5ー2」と言わせる。段々長くしていく。出来れば5〜8桁くらいは言えた方がいいです。

3、お使いを頼む。
 家からたのむ場合は出来れば1、2個のものを頼み、帰ってからどのようだったか、言葉で報告をさせる。親はきちんと聞くこと。
 初めのうちはお釣が出ないようにし、段々お釣がいるようにお金を渡すようにする。

4、スーパーで練習する。
 どこに何があるのか、きちんと分からせておき、かごを1つ持たせて、3、4個のものを入れてもって来るように指示をする。出来れば初めは簡単なものから、段々色々なものを指示する。
 最後には10個ぐらいが聞けるようになります。

 ※4、に関しては試験を受ける頃にこの程度が出来るようになればという目安です。また、頼む種類も初めのうちはお野菜だけとか果物だけ、そのうちお野菜、乳製品、お菓子、果物、等と色々沢山指示をして聞けるように練習をさせると良いと思います。
 時には指示の中に“あなたの好きなもの”というのがあってもいいです。そんな時には、好きなものを何にしようかと考える余り、言われたものを忘れたりすることもあります。

5、幼稚園、保育園の先生に簡単な伝言を頼み、ちゃんと伝わっていればほめる。

6、おばあちゃん、おじいちゃんに電話をかけたりして、話しをする。そして、どんな話しをしたのか後で聞く。

7、販売されている「話しの記憶」のプリントを毎日1枚はやっていきやり方に慣れておく。

 大体以上のようなところを少しづつ練習しておかれるといいと思います。

 幼児の場合は話しの記憶に関しては特に、その練習をしなくなるとすぐに出来なくなりますので、出来るだけ毎日することです。

 お母さんお父さんの心がけとしては「出来ない時は、回数が足りないと思うこと。出来ない事を叱らない事。出来た時には充分ほめること。」です。

 また、話しの記憶と昔話の読み聞かせをすることを一緒にしないで下さい。昔話をしてもらって楽しくなっているところに「今のお話しはなんていうお話しだった?」とか「何の動物が出てきた?」とやりますと、子ども達は昔話が嫌いになってしまう事もあります。注意しましょう。

[一からの幼稚園・小学校受験][ホームページ]
shizuka@hi-ho.ne.jp