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数について(1)


 数の分野については、幼稚園受験でも小学校受験でも大抵出題されます。
幼稚園受験の場合「数える」ということについては、20ぐらいまでは目と手がきちんと合って、数えられるようにしておかれたほうがいいです。
※ここで勘違いをしてはいけない事は、物を20まで数える事が出来ることと、数概念として「20」まで理解が出来ている、という事は別ものだということです。
 1〜30まで言える子に、飴が5つあり、その中から「3つちょうだい」と言っても、とれない場合は往々にしてあります。その子はただ1から30までの数字を唱えているだけなのです。
 3つという数はどういうことなのかという「概念」についてはまったく解っていなくても、30まで唱えることは出来ます。
 そして3年保育を受験される場合は「数3」までは理解をしていてほしいと思います。「数3」の理解が出来ているかどうかというのは、沢山ある飴の中から3つが取れるという事です。

 これはとても難しいことです。

 先ずはおもちゃでもなんでもいいから(出来れば同じ物がいい)5つ揃えます。そして、いち、に、さん、し、ご、と数えます。また、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、という数え方も一緒に練習して下さい。
 両方初めから教えておいた方がいいです。初めの内は多少混乱する事があってもすぐに慣れます。一方だけの言い方しか教えていない場合は例えば、いち、に、さん、し、ご、としか知らない子が、先生に「みっつちょうだい」と言われてポカーンとしてしまったということもあります。
 だから日頃から「さん、と言うのはみっつと一緒のことなんだよ」と教えておく事も必要です。

 そして「1つちょうだい」と言って1つの取り出しを教えます。次に「1つあげます」と言って子どもの手に1つの飴を乗せて「1つ」をもう1回教えます。
 同じようにして「2つちょうだい」「2つあげます」、「3つちょうだい」「3つあげます」という練習をして下さい。
※この練習は、とにかく繰り返しが必要ですから、毎日1、2回づつやってみて下さい。
 2年保育の場合は、物を数える事は30ぐらいまで出来ているといいと思います。取り出し(○つちょうだいということ)に関しては、5つぐらいが出来ていればいいと思います。

 形は、3年保育の場合、丸、三角、四角、は教えておいて下さい。2年保育の場合は丸、三角、四角、半丸、星型、長四角、台形、ぐらいでしょうか。

 色は、3年保育は、赤、青、黄色、の最低3原色は教えてあげて下さい。余力があれば、緑、桃色、紫など。
 2年保育は3原色に、緑、桃色、紫、茶色、橙色、黄緑色、黒、白、灰色など、大体12色が言えていればいいと思います。

 また上、下、真ん中、右、左、など位置の概念や、大きい、小さい、中ぐらい、とか、多い、少ない、とか、高い、低い、とか、長い、短いなどの連続量の概念など。

 以上のような事を理解させる為に、次のような事を生活の中に取り入れてみてください。
  1. なんでも「1つちょうだい」とか「2つ取って」とか、数を意識的に入れる。

  2. お味噌汁を入れたりする時にも「1回、2回、ああ、このお椀はたまじゃくしで2回いれたら一杯になったわ」など、なんでも数を入れる。

  3. 握手を3回しよう。とか、じゃんけんを5回してその内3回勝った方が先に好きな方のテレビを見るとか。

  4. 色については、例えば赤を教えようと思えば、お絵描き帳にお母さんがりんごの形を描き、一緒に「赤」をクレヨンで塗る。「赤い赤いりんごになーれ。おいしいおいしいりんごになーれ」等と言いながら。

  5. また、家の中で赤いものをさがす。例えば、タンスの上にある時計の周りが赤いとか、○○ちゃんの頭のリボンが赤いなど。他の色も同様にして教える。

    ※色を教える時に信号で教えない方がいいです。青と緑がごちゃごちゃになって、分からなくなる子が結構います。「青になったら渡るよ」と言って、見ている色は緑ですから。

  6. 形は、丸とか三角とか四角をお絵描き帳に描いて、名前を教えて言わせる。そして、○をクレヨンや鉛筆でなぞらせる。なぞりながら「まる」と言う、等を1日に1回やる。

  7. 家の中で丸や、三角や、四角のものをさがす。例えばテレビの画面は四角とか、目覚し時計は丸いとか、三角のものはおでんのコンニャクとか。
     そして、色紙で三角を切ってみる。大きい三角、小さい三角、中ぐらいの三角など。のりでくっつけたら、七夕の短冊のようになりました!ってなぐあいですね。楽しくやりましょう。(^_^)

  8. 大きい小さいや、長い短いなどの連続量の事については、食べるもので教えると理解が早いです。子ども達は大きいものや長い物が好きですから、大小のすいか等を用意して「大きい方のすいかはどっち?大きい方を食べてもいいよ」等といって教える。連続量は理解が早いです。
※1つのりんごで「数の分野他を子どもに教える例」

・形は「まる」
・色は「あか」、中の色は「しろ」(触ってみる。匂いを嗅いでみる。)
・皮を剥くところを見せる。
・皮で長い短いを作って比べる。
・半分に切って切り口がどうなっているのか見せる。
・色々に切って、どっちが大きいか比べる。
・食べてみる。どんな味かな?

 ※自由画帳にりんごを写生する。(お母さんも子どももそれぞれがする)というのを、最初と最後にしても面白いです。(時間の経過が分かります)

 余談だが、子どもに「りんごはどんな味?」と聞いたら「おいしい味」としか言えない子がいた。その子は“甘い”とか“辛い”とか“すっぱい”等の言葉を知らなかった。
 お母さんに尋ねたら、子どもに“甘い物”を食べさせたくなくて、甘いという言葉を教えていなかった。更に意識していたわけではなかったが「味」に関しての言葉も教えていなかった、ということがわかった。
 その子はそれまで、どんな味だった?と聞かれたら「おいしい味」で通してきていたのだろう。

 元に戻り、以上のような感じで、家事をしながら教えて下さい。洗濯物をたたんで四角になったとか、お皿を2枚割ったとか、その場その場が子どもの教育です。

 大変でしょうが、お母さんが家事をされる時に、“この家事では子どもにどんな事が教えられるだろうか”と考えてみて下さい。
 トイレの掃除をする時には、タオルの代えを「どこどこのタンスの上から2段目の右にある緑色のタオルを持ってきてちょうだい」とか「今日はあなたの好きなタオルでいいよ」など頼む。そして、持ってきたら後はずっとその掃除をするところを見せておく。

 掃除機を掛ける時は一緒に歌を歌う。洗濯をしている時はどんな順番でどんなものを入れるか教えるとか、これは誰が着ているものかあてっこをするとか、ポケットに何か入っていないか調べてもらうとか。

 という「面倒くさい事」を、力を入れないで、ぐちゃぐちゃ言いながら、気長に、毎日毎日教えて下さい。

 今日は何を教えようかな?と考えてみて下さい。
くれぐれも「何回教えたら覚えるのよ!」とか「あなたは誰々より覚えが悪いね」などと言われませんよう。

 出来た時に誉めるのです。

 小学校受験の数については次回にまわします。

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