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お絵描きについて(1)


 お絵描き、造形などは、幼稚園受験で出題されるということはありません。よしんばあったとしても、子ども達が描いたものが評価の対象になることはありません。従って、今回と次回は小学校受験について書きます。

お絵描きは「課題画」という項目で例えば下記のような形で出題されます。

・お家の冷蔵庫の中を描きましょう。
・お母さんが洗濯物を干しています。その様子を描いてみましょう。 
・あらかじめ描かれている形を使って、海の絵を描き、その絵についての質問を受ける。
・自分の好きな絵を描いて下さい。
・プールで楽しく遊んでいる絵を描きましょう。
・家族で楽しく遊んでいる絵をかきましょう。
・折り紙で自分の好きなものを折り、それを紙にのり付けして、自由に描き加えて絵を完成させる。そしてその絵を使って、お話しを作る。
・クリスマスツリーの絵をはさみで切り取り、別紙にのり付けして、飾り付けをしているところの絵に仕上げる。
・クマの絵を切り取り台紙に貼り、好きな絵を描き足し完成させる。
・お母さんが作ってくれるお弁当で、自分の好きなものを描きましょう。

等など色々な課題が与えられます。

 「絵」の指導というものは、自分が絵を描くのが苦手な親にとってはどうしていいか分からないという分野です。実際私も絵を描くのが苦手な「絵ごころ」のない人間で、息子の絵を描くのが苦手というのを、どう指導していいのか悩んだクチです。自分が保母でありながら。

 多分幼稚園の先生も、絵をどうして描くのか分からない子どもに、具体的に “こういう風にして描きなさい”という材料は持っておられません。

 どの様に描いていいのか分からない子に「自分の好きなように描きなさい」と言ったところで、到底子どもは描けません。この言葉は、どうして描けばいいのか分からない子どもにとっては、とても酷な言葉です。でも本当のところは、先生もどうしていいか分からないのです。

 保母や幼稚園教諭の教育課程の中で「絵をどうして描くのか分からない子どもに、このようにして指導すればいい」という具体的な指導方法の授受はありませんでした。

 私は、今では、どうしても絵の描けない子どもには「絵描き歌」で、実際にぞうさんや、きりんさん等動物や、乗り物、人など、とにかくなんでも「歌と結び付けて」指導しています。

 ぞうさんを、一枚の自由画帳に出来るだけ大きく描かせ、それに色を塗ると、子ども自身が“自分も描ける”と思うらしく、ぞうさんを入り口にして描けるようになる子も結構多いです。

 そして、その外には絵本の絵をお母さんに模写してもらい、それを子どもに見せて一緒に描くように頼んでいます。時には実物を一緒に見て一緒に描いてみるということもいいと思います。例えばニンジンを写生するとか、りんごを写生するといった具合に。その後それを食べると、もっとそのものをよく分かってくれます。

 お母さん達は「絵本を見て描いたら良くないんじゃないですか」と言われる方もいらっしゃいますが、いっぱい模写をすることでどのように描いてあるのかということが分かります。
 そして、時には模写でなく、自由に描くということもすればいいと思うのです。

 画家の卵も、最初は名画を沢山模写して腕を磨き、次の段階として自分独自の、創造性のある絵にチャレンジすると言われます。

 絵本の簡単なものを子どもさんの目の前で模写して見せてあげたり、一緒に描いたりして楽しんで下さい。

 そして、時には単刀直入に過去の入試問題を「今日は洗濯物を干しているところを描いてみようか」とか「プールで泳いでるところを描いてみようか」といった感じで、一緒に描いて見るのがいいと思います。

 お母さんや先生と一緒に描いた経験がある課題画は、子ども達は大抵描けます。

 造形は次回に回します。

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