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  仮定:三角形ABCで∠Bと∠Cの二等分線、BE=CF
 結論:∠B=∠C
 
証明:これを直接示す代わりに、対偶の ∠B≠∠C ⊃ BE≠CF を示す。 
 一般に三角形ABCで、次が成り立つ。 AB≧AC ならば ∠B≦∠C (複合同順)であり、逆も成り立つ
 △ABCの内部に点Pをとると、∠BPC>∠BAC
 
また、円周上の点ABCDEには、次のような関係がある。 
   ∠ACB=∠ADB<∠ADE∠ABC<∠ABD<∠R ならば、AC<AD
 
証明の道筋:∠B<∠C として、CF<BE を示す。 
記号を次のように定める。E:∠Bの二等分線とACとの交点
 F:∠Cの二等分線とABとの交点
 I:内心(BEとCFとの交点)
 P:○FEBとBCの延長線との交点
 Q:○FECとBC(の延長線)との交点
 
証明:∠IEFと∠IFEの大きさにより、場合を2つに分ける。T.∠IEF≦∠IFE
 △IEFで、∠IEF≦∠IFE であるから
 IF≦IE。
 また、△IBCで、∠IBC<∠ICB であるから
 IC<IB。
 すなわち
 CF(=IF+IC)<BE(=IE+IB)。
 これは求めるものである。
 
U.∠IEF>∠IFE点FEBを通る円と点FECを通る円の2つの円を考える。すると、○FEBと○FECとは、点E・点F以外では交わらない。
 (もしも点Rで交わるとすると、○FEBにおいて∠FBE=∠FRE、
 ○FECにおいて∠FCE=∠FRE
 となり、∠FBE<∠FCEと矛盾する。)
 
以下、FC<FP<EB を示す。ここで、○FECが線分BCと交わる点C以外の点Qが、BC上にある場合を考える。
 
まず、FC<FPを示すため、∠FPC<∠FCPを示す。∠FPC<∠FCB<∠R         (CはBP上)
 ∠FCP=2∠R−∠FCB>∠R。
 すなわち、∠FPC<FCP。
 △FPCで、∠FPC<FCP であるから、
 FC<FP
 が示された。
 
次に、FP<EBを示すため、∠FBP<∠EPBを示す。∠FBP=∠FBE+∠EBP
 =∠FPE+∠EBP   (○FEPB上の円周角)
 <∠FPE+∠EQC ★1(QはBC上)
 =∠FPE+∠EFC ★2(○FECQ上の円周角)
 <∠FPE+∠FEB   (Uの仮定)
 =∠FPE+∠FPB   (○FEPB上の円周角)
 =∠EPB
 となり、∠FBP<∠EPBが示された。
 また、∠EPBが∠Rより小さいことが次のように示される。
 ∠EPB=∠FPE+∠FPB
 <∠FPE+∠FCB
 =∠FBE+∠FCB
 <∠R。
 
○FEPB上で、∠FBP<∠EPB<∠R であるから、FP<EB
 であることが示された。
 
すなわち、∠ABC<∠ACB であれば、FC<EB であることが示された。これが求めるものである。 
なお、○FECが線分BCと交わるC以外の点QがBCの延長上であれば、上記の展開を次のように変えればよい。★1  <∠FPE+∠ECQ
 ★2  =∠FPE+∠EFQ
 以上
 
 
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