行動が問題になる子どもたち

−ドクトル川端の外来診察室

 


主な内容

1 子どもと医療をめぐる諸問題 − 脳波とてんかんの問題を中心に
  脳波で何が分かるのか/言葉のおくれと脳波/てんかんの発作とくすり/その人に合ったくすりとは? ほか

2 行動が問題になる子どもたち
  なぜ情緒障害なんだろう/「おちつきがない」と言われる子とくすり/とまどっているだけなのに/症状にしてしまわないで/子どもがいちばん困っている/人に出会うところから ほか

 

 


川端利彦

 私がこだわりつづけてきたことは、考えてみれば至極単純なことです。すなわち、「当たり前のことを当たり前に見るようにしよう」ということにつきると思います。こんな、いわばごく当たり前のことなのに、いざそれを日常の生活の中で実行に移す段になると、それがまた、大変難しいことになってきているのが今の世の中です。
 なぜそんなに難しいことになってきたのかと言うと、一言で言えば、人が人に出会わなくなってきているからにほかなりません。たとえば、「行動が問題になる」という場合の「行動」ということについて見ると、子どもなら子どもが、周りのいろんなこととはまったく無関係に、自分だけで行動を起こすことはまずありません。たいていの場合、その場にいるいろんな人たちとの関係の中で行動が展開されます。その場合、周りにいる人たちとその子との間にこれまでにどんな出会いがあったのか、周りにいる人たちがその子をどのように見ているのかといったことが大いに影響します。
 一見、子どもは子どもなりに勝手に動いているように見えることがあります。こんな場合でも、子どもは過去に経験したこととの関係の中で行動しているのです。ことに、過去に出会ったいろんな人たちとの関係のありようが、今の行動に反映されていることが多いのです。
−本書「人に出会うところから」より

 

 


浜田寿美男(奈良女子大学教員)

障害や症状のラベルは人の行動の理解への手がかりになるという以上に、かえってその理解の障壁になる。ならばそのラベルをはがしたところで、子どもたちの、そしておとなたちの生きるかたちを生で眺めるところに立ち戻ってみよう。先生は、この小さな冊子で私たちにこの重い問いを投げかけてくれているようである。
−本書「あとがき」より

 


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