しずくタイトル

創刊号 2018年7月20日発行

B5版28ページ  定価300円(送料20円)  年間(4冊)定期購読料 1,200円 (送料とも)

 

 

【特集】 相模原障害者殺傷事件から2年

 2016年7月26日未明、神奈川県相模原市の知的障害者施設「県立津久井やまゆり園」に男が侵入し、19人の障害者が殺害され職員3人を含む27人が重軽傷を負った。被害者の数という量的な面はもとより、重度の知的障害者は生きる価値がないと断じた一人の民間人が加害者になったという質的な面においても、犯罪史上類を見ない事件であった。

 それから2年。今も、公判の開始を待つ被告は犯行を正当化する発言を繰り返し、19人の死者は実名で語られることを許されないままである。当初同規模の施設を再建しようとした県は、障害者たちの反発を受けて小規模・分散化に方針を転換した。その一方で、精神障害者に対する監視体制を拡大することにつなげようとする動きも続く。

 社会は底流にうごめく選別と差別のありようを深く問わないまま、事件を都合よく消化吸収しようとしていると言っていい。人びとから事件の記憶と関心が急速に消えつつある今、自分と社会にとって相模原事件とは何なのかという現在形の問いに向き合いたい。

 

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