しずくタイトル

第11号 2021年1月20日発行

B5版28ページ 定価300円(送料別 140円) 年間(4冊)定期購読料 1,200円 (送料とも)

 

 

【特集】  「津波てんでんこ」と共生の思想―東日本大震災10年を前に


 東日本大震災の時には、土地の人びとの間に「津波てんでんこ」という言葉が甦った。「大津波が来た時には、周りの人たちのことは考えずに、めいめいに、勝手勝手に逃げられる者は逃げろ」という意味である。三陸海岸は過去に何度も大津波に襲われ、そのたびに、独りでなら十分に逃げることの出来たひとたちが、身体の不自由な障害者や老人、非力な子どもたちを助けようとして、結局は当の本人をふくむ全員が犠牲になった、という事例があちこちで見られたのだという。そこから導かれた悲痛な教訓が「津波てんでんこ」という言葉として語りつがれたのだ。
 いまの世の中で、一般論として「足手まといになる人たちは置いてきぼりにしてもよい」という意見に賛成する人は少ないだろうが、ギリギリの非常時には「それもやむをえないのだ」の理屈は、「いのちの選択」論をはじめ、実際的な「説得力」をもちはじめている。「だれ一人しめ出さない社会」をめざす私たちは、どのようにそれを乗りこえるのか?

 

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