【特集】
“性”を問う
― 手ごわくも、自ら紡いでみる
最高裁は今年6月、夫婦別姓を認めない現民法は合憲との判断を6年前に続いて再び下した。男女共同参画担当大臣が別姓に反対との見解を挙げ、超党派で成立が目指されていた性的少数者への理解促進法(差別解消ではない)も自民党内の合意が得られないままだ。
性は実に多様な問題を孕んでいる。生殖の問題は子どもの出生の選択だけではなく、差別の結果として優生保護法を生んだ。が、子を産むことを求める意識も社会的には強い。生物の性は雌雄の二項対立ではなく連続したスペクトラムであり、人間もその例外ではないという見方も提出されている。また性は社会的に創り出されてきたというジェンダー研究の成果も積み上げられ、性についての語りは一見とても豊かに見える。だが多くの人が、自ら問うことから性を遠ざけているのも確かではないだろうか。既存の世界に留まりたいとする価値観の根強い中で性の問題とどう向き合うか。それぞれの言葉を紡いでみたい。
→ 「季刊しずく」
第14号 もくじ
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