しずくタイトル

第20号 2023年4月20日発行

B5版 32ページ 定価300円(送料別 20円) 年間(4冊)定期購読料 1,200円 (送料とも)

 

 

【特集】   “争い”と“和解”を考える


 世に争いは絶えない。民族と民族、国家と国家、宗派と宗派、集団と集団、個人と個人…。現にある矛盾を照らし出し、対立を止揚して新しい関係を生み出そうとする争いもあれば、自らの主張を押し通すために相手に耐えがたい苦痛を与えようとする争いもある。中でも最悪なのは、憎悪が憎悪を生み、報復が報復を生んで徹底した生活の破壊や死をもたらす争いだ。そこには希望のかけらもない。
 かつてのルワンダ内戦がそうだった。植民地政策によって作り出されたと言われるツチとフツの2つの部族が対立し、1994年の数か月間に80万人が殺され200万人が難民となった。まさに隣人同士が殺し合ったのだ。しかし1999年に国民統合和解委員会を設立し、加害者と被害者がともに住む「和解の村」を建設して、憎悪の連鎖を断ち切る努力が始まった。そして完全ではないとしても和解に成功し、人々はそれを「ルワンダの奇跡」と呼んだ。
 争いが絶えない世界に新たな戦争が勃発し、この日本でも軍拡に拍車がかかりつつあるいま、あらためて私たちが生きる日常という場所から“争い”と“和解”を考えたい。

 

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