しずくタイトル

第22号 2023年10月20日発行

B5版 28ページ 定価300円(送料別 20円) 年間(4冊)定期購読料 1,200円 (送料とも)

 

 

【特集】   障害者と呼ぶこと/呼ばれること


 「あなたは障害者? 健常者?」と問われたことはあるだろうか。日常用語として「障害者」と「健常者」という二つの言葉を対比させて使うのは、この日本独自のものではないだろうか。英語の「ハンディキャップト」や「チャレンジド」は「障害者」に代わる言葉としてはスマートすぎるし、押しつけがましい感もあるが、それらに対比させて使う言葉を持たないという意味では、この国の事情と異なるようで興味深い。
 「障害」という言葉をさかのぼれば、仏教用語の「障碍」(「しょうげ」と読む)に行き着く。心を覆い隠し、悟りを妨げていることを意味する。そんな世の中はアカンと言っているようにも取れるし、そんな人はアカンと言っているようにも取れる。
 「障害者」という概念は世の流れや環境の変化とともに伸縮し、そのレッテルを貼られることで苦しむ人がいる。一方で「健常者」だと認定され、痛みに耐えかねる人がいる。現代は露骨な差別に見えない差別が加わっただけなのかもしれない。「障害者と呼ぶこと/呼ばれること」について、今一度読者とともに考えたい。それは明日、見知らぬ誰かの少しの笑みにつながると思うから。

 

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