しずくタイトル

第25号 2024年7月20日発行

B5版 32ページ 定価300円(送料別 20円) 年間(4冊)定期購読料 1,200円 (送料とも)

 

 

【特集】   合理的配慮から民主主義の現在(いま)を問う


 2021年改正の障害者差別解消法が施行された。本年4月から民間事業者にも合理的配慮の提供が法的義務となった。今後、障害者に対する社会的障壁を取り除いていくために、事業者は障害当事者とともに「建設的対話」を重ねて合理的配慮を提供していくべきことが一段と求められることになる。

 ところが、障害者が社会サービスを利用する場面では様々な問題が起こり、その度にマスコミで騒がれSNSが炎上する事態が後を絶たない。車イス使用者の映画観覧の際に座席利用をめぐって映画館側がほかの映画館に行ってほしいと言い渡した対応など、「対話」の姿勢が見られない事業者の対応がとりあげられるたびに、障害者の要望を「わがまま」や「過剰」として批判する声があがる。

 一方的な批判に終わらせることなく、正当な具体的是正策をともに見出していく行為は民主的な取り組みであり、その積み重ねこそが地域における市民による民主主義の実践といえるのではないのか。日本の現状はそこから遠いところにあるのではないか。合理的配慮の提供という差別是正への取り組みを民主主義の実践として捉えたとき、その課題を通してどのような社会のありようが見えてくるのか考えてみたい。

 

 

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