しずくタイトル

第8号 2020年4月20日発行

B5版28ページ 定価300円(送料20円) 年間(4冊)定期購読料 1,200円 (送料とも)

 

 

【特集】  「よく死ぬ」とは何か?― 脳死、安楽死、ターミナルケアをめぐって 

 古代ギリシャの医師が神々に宣誓したとされる「ヒポクラテスの誓い」には、「患者に利益すると思う治療法をとり、有害と知る治療法を決してとらない」、「頼まれても人を死に導くような薬を与えない」とある。この誓いはその後長く、医療に携わる者たちの倫理の基本とされてきた。
 しかし今、医学や医療技術の飛躍的な進歩は、出生前・着床前診断や遺伝子操作によって人間の生の始まりに介入するだけでなく、脳死下臓器移植や安楽死・尊厳死、ターミナルケアといった形で人間の生の終わりをコントロールすることを可能にしつつある。それも大きな力による強制ではなく、人びとの“自発的な”意志として。近年、厚労省の肝いりでキャンペーンが展開されている「人生会議(ACP=アドバンス・ケア・プランニング)」の取り組みもそうした流れの中にあって、大多数の人々に抵抗なく受け入れられようとしている。
 一見中立的な科学が政治的、経済的な要請と結びついて人々の生をないがしろにすることを、私たちは過去何度も経験してきた。人間の死にまつわる現在の事態はどうなのか、多様な視点から考えたい。

 

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