「ボロいハスラーも頑張る!」木曽御岳林道キャンプ&ツーリング
    

ツーリングデータ

年月日

1985年11月22日(金)〜11月24日(日)2泊3日

目的地

岐阜県/長野県 木曽御岳方面
(付知峡〜渡合温泉キャンプ場〜御岳周辺の林道)

参加者

安立(XT400)岩元(XL200)岡田(MTX200)金井(RA125)山田(XT125)大内(ハスラーTS125)

 ※()内は、現在の我々による「チャチャ」入れである


「おめぇ〜、その肉、たたみ一畳はあったぞぉっっ!」

11/22(金)晴れ のち くもり 夜は雨

 愛車XL200は、今、オーバーホールの真っ最中。だから、今回はセカンドマシンのハスラーで走るのであ〜る。パッキングをするにもXLとはちょっと感じが違い、手間取ってしまう。それに加えて、今回は夜の宴会に備え、荷物のてっぺんに直径26cmの大ナベをパコーン!と積んだので、林道を走っても荷崩れしなくて、なおかつ、見た目の美しさの追求に時間がかかってしまった。

 2コマ目の歴史に出席するつもりで学校に向かうが、気分が浮かれまくりで例のごとくサボってしまう。11時頃には、安立さん、金井、山田も集まり、盛り上がる気分を押さえきれず、いつもの生協前でブラジルをたてて、気合いを入れる。

 単調なR19を眠気をこらえながら走り続け、中津川で晩めしの材料の買い出しだ。金はないんだけど、腹が減っているときの買い出しなのでガンガン買い込んでしまう。パワフルな晩めしになりそうだ。今夜の酒はサントリーホワイト!うれしぃ〜!!

 付知峡に入った頃には日の入りも近くなってきた。ペースをあげる。キャンプ場までの最後のダート、パワーバンドが狭くて、ブレーキもきかない、さらにはサスはへたってスカスカのハスラーで気合いの走りだ!おかげで、ホントにスピードが出ているかはよく分からないけど、体感速度的にはメチャクチャ満足!

 キャンプ場到着。テントを張ったり、川で米をといだり、コーヒーをたてたり、忙しい。岡田と俺はナベものづくりにとりかかる。他のメンバは薪づくりに熱中している。

今晩のナベはこれだっ! 

 カツオだしをベースに、シイタケ、ブタ肉、白菜、エノキ、モヤシ、ねりものをぶち込み、仕上げは赤ミソ。味、量ともに申し分のない出来だ!全員、空腹は最高潮に達している。「ナベ、スタート!!」しばらくは話し声もなく、ガツガツと食う音と鼻水をすする音だけだった。そのうち、誰かがナベに箸をのばすと、金井がするどくヘッドライトで照らす。そこに浮かび上がる肉の姿に、安立さんが「おめ〜、肉を取ったなぁ〜」とか「あっ、おめぇ〜、その肉、たたみ一畳はあったぞぉっっ!」とか騒いでいる。

 途中、雨が降り出すものの全員カッパを着込んで、ナベ、そして、たき火を囲んでのバカ話。結構たくさん降ってきたけど、明日の走りは大丈夫かぁ〜?


「ちょっと待っとれ!今、道、作ったる!!」

11/23(土)くもり 時々 晴れ

 夜中、何回か雨の音で目を覚ましたものの、しっかりと寝た気がする。テントから這い出た途端、岡田に「おめーのいびきがうるさくて、なかなか寝れなかったじゃね〜か!」と怒られるが、明け方には岡田のいびきがうるさくて目が覚めたからお互い様だよな。

 キャンプの朝は、コーヒーで始まる。「オフローダはブラジルだ!」ということで、岩元君の持ってきた「炭焼きコーヒー」、「どんな種類の豆?」という質問に「『選び抜かれた大粒の豆』としか書いてないよ…」にはみんな大ウケ。まっ、いっか〜。

 9時半をまわった頃、出発だ。まずは真弓峠を目指す。峠の登り道、順調に林道を攻めていたハスラーにトラブル勃発!「あれ〜?エンジンが吹けなくなっちまったー!」何度か持ち直すんだけど、すぐにおかしくなってしまう。金井のプラグをもらって交換もしてみたが、やっぱり調子が出ない。「ボっ、ボボボォォ…」と情けない状態だ。

 「こんなんじゃ、みんなと走れないな」と思い、みんなには先に行ってもらうことにする。ぐんぐん高度を上げていく林道、ハスラーのエンジンは完全におかしくなってしまいローギヤ3〜4千回転で走るのがやっとだ。そんなペースで走り続け、峠らしいところが見えた頃にはエンジンは今にも止まりそう。2輪2脚パワーで頑張る。「もう少しで峠だ!」ハスラーをなんともかわいく思う一瞬。

ダメなハスラーと俺 

 ついに峠だ。みんなはもういないだろうと思っていたら、峠で待っていてくれた。路肩の雪を使って、コーヒーをたてて一息つく。

 峠を下り始める。しばらく走ると、工事中で道がなくなっている。岡田が工事のおっちゃんに「通れませんか?」とダメもとで尋ねると、「ちょっと待っとれ!今、道、作ったる!!」と力強い返事が返ってきた。「スッゲェ〜、道、作ってくれるんだ〜」と感動、そして、おっちゃんの操るショベルカーの鋭い動き、木をなぎ倒し、岩を蹴散らし道ができていく光景にまた感動…。

 真弓峠を下りきったところで、みんなは開田高原から濁河温泉方面へ向かうという。このハスラーの状態ではどこまで行けるか分からないけど、俺も同じルートを取ることにする。あっという間にみんなにはおいていかれ、一人寂しくトロトロと走る。

 濁河温泉へ向かう林道入り口でみんなになんとか追いつく。林道には雪だぁ!20cmほど積もっている中、あっちに滑り、こっちに滑りと大変だったが、これがまた楽しい。幸運にも車のわだちがついていて走りやすかったのだけど、そのうち、その車に追いついてしまい、しかもその車、親切にも?道を譲ってくれるではないか!「いやぁ〜、譲ってくれなくてもいいんだけどな〜」と思いながら前に出る。わだちはなくなり、フカフカの新雪の林道だ!「コケたところを見られたら、メチャクチャ格好悪いぞぉ!」と走りにも気合いが入る。

もう少しで雪がなくなったのに… 

 もう少しで雪がなくなるというところで、岡田が力つきたのか?いきなり滑ってコケる。みんなバイクを止めて助けるのかと思えば、コケてる岡田を雪浴びせの刑にしてしまう。う〜ん、なんて美しい友情だ…。

 R41に出る頃にはすっかり夕暮れ時になってしまった。途中のスーパーで晩めしの買い出し。キャンプ場に向かう最後の林道をナイトラン。俺はすっげぇ〜エキサイトしていたが、たまご10個を背負って走った山田は今までにない緊張の走りだったらしい…。確かに、コケたら全身たまごまみれになる上に、貴重な食い物を台無しにしてみんなに何言われるか分からないもんなぁ…。

 今晩はすき焼き。うめ〜。たき火を囲み、飲んで、食って、騒いで、1時頃、寝た。


【今回のハイライト】

標高1000mを越えるといきなりへそを曲げてしまうハスラー。でも、足つき性は抜群(ただサスがへたっているだけ…)で雪道は強かったよ!


雪上を華麗?に走るハスラーと俺


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