「金井・山田卒業記念」尾鷲・熊野キャンプ&ツーリング
    

ツーリングデータ

年月日

1986年3月8日(土)〜3月10日(月)2泊3日

目的地

三重県 尾鷲・熊野方面
(旧矢ノ川峠越え、大又林道、備後川林道)

参加者

安立(XT400)岩元(XL200)山田(XT125)粕谷(KLR250)伊藤(DT125)宮脇(XLR250)大内(XL200)

 ※()内は、現在の我々による「チャチャ」入れである


「ヤンキーギャルと盛り上がる野宿の夜」

3/8(土)晴れ

 今回のツーリングは金井・山田、二人の大学卒業記念として企画されたものだ。でも、主役の一人金井は都合で欠席、いつものメンバーも岡田は欠席、安立さんは一日遅れで参加とちょっと寂しい状態。しかし、北海道・襟裳岬で知り合いになった粕谷、DT125の伊藤の初参加者を加え、出発!

 尾鷲方面を走るのはみんな初めてだけど、地図を見ながら第一目標の矢ノ川峠越えの旧道にたどり着く。俺が先頭になってダートに入ってすぐ、「な〜んか道が白くなっているなぁ?」と思いながらスピードを緩めず突っ込んでいくと、そこはなんとアイスバーン!「どわぁ〜!!」と叫んだときには、前後のタイヤは既に勝手に滑っていて大転倒!後ろを走ってきた伊藤に「アイスバーンとは気づかんかったぁ」と言うと、「アイスバーンなのに先輩、全然スピードを落とさないから『かぁー!さすが先輩、あれぐらいのアイスバーンはへでもないんだぁ』と感動していたのに、ただ気づかなかっただけなんですかぁ?」とメチャクチャうけてしまった。

 道はかなり痛んでいて、路肩が落ちていたり、土砂が崩れ落ちていたりする。最近走ったと思われる一台の自転車のタイヤ跡を心の支えに崩れた箇所を次々越えながら進んでいく。初参加の粕谷・伊藤は、かなり緊張しているのがよく分かる。

林道途中での記念撮影

 林道を走り終え、R42に出た頃にはもう17時をまわっていた。野宿場所のあてもなくフラフラと走っていたが、たまたま通りがかった小学校を尋ね、「近くの河原によい場所があるよ」と教えてもらった。「これはいい場所だ!」と即決定。

 とにかく腹が減っているので、ナベの準備だ!ジャガイモは皮もむかずナベにぶち込む。中には芽をとるのを忘れたものさえある。「せんぱぁい〜、ジャガイモの皮、むきましょうよぉ」と不満をたれる伊藤に、「うるせぇ〜んだよ、オフローダは何でも食うんだ!!」と俺。勢いがつくともうめちゃくちゃなのだ。

 ナベ第一陣を鬼のように食う。うまい!第二陣のうどんを入れようとしたとき事件勃発。「誰かがこっちに向かって何か言ってるぞ!」近所のおばさんが文句をつけにきたのか?と思い行ってみると、なんとギャルが二人いる(しかし、ヤンキーだった…)。「何やってんの?仲間に入れてぇ」「うぉ〜!」と獣のように盛り上がる我々。「どうぞ、どうぞ」とばかりにたき火のところにご案内し、お話が盛り上がる。野宿で女の子とお話しだなんてめったにあることではないので、みんな大興奮。たき火と同様めらめらと燃え上がる怪しい欲望の炎とともに野宿の夜は更けゆくのであった。


「林道で遊ぶ子鹿と遭遇」

3/9(日)晴れ のち くもり 夜は雨

 夢うつつにバタバタ、ドコドコ、単気筒のエンジン音がする。どうやら安立さんがやってきたらしい。明け方に走って来るという安立さん用に近くのR42の路肩に止めておいた俺のバイクを無事発見できたようだ。(誰のバイクを目印用に置くかと相談した結果、絶対に盗まれないと断言できるほどにボロい俺のバイクが満場一致で選ばれたのだった。まったく失礼な!)だけど、眠くてたまらずまた寝てしまった。

一泊目の野宿風景

 今日の走行ターゲットは、大又林道、備後川林道だ。林道に近づくほどに山深くなっていく。景色は開けず、切り立った山肌に狭くウネウネと切られた林道に入る。途中、素堀のトンネルが現れる。トンネル内は照明もなく、真っ暗で何も見えない。気合い一発、走り始める。目が暗闇に慣れかけたトンネル後半は、深い水たまりが続く。思ったより深くフロントタイヤ半分ほどが水の中。暗闇と、いつ突然もっと深くなるかもしれない水たまりへの恐怖で、トンネル内にはみんなの悲鳴がこだましている。誰かが転ければ、また夜の宴会で盛り上がるんだろうけど、残念ながら?みんな無事クリアだ。

 次に出会ったのは二頭の子鹿だった。えらく警戒心のない奴らで、バイクでそろそろと近づいていっても、なかなか逃げない。バイクを止め、しばらく子鹿を眺める。いつもは目をつり上げて林道を攻める我々も「なぁんか、いいよな〜」とほのぼの気分で満たされ、その後はチンタラと走って今日の林道走行を終える。

 尾鷲のジャスコで晩めしの買いだしだ。泥だらけのモトパン、オフロードブーツで大挙して食品売場になだれ込み、迷惑顔のおばさんたちを蹴散らしながら買い出し。昨日は「こんな格好のまま入っていいんですかぁ?」とおどおどしていた伊藤・宮脇も今日はなんかうれしそう。

 今晩は、海岸で野宿するつもりで海に向かって走る。色々道に迷ったあげくに、どこかはよく分からないけど頃合いの場所を見つけ、テントを張り、晩めしにする。今夜の献立、ホワイトシチューをご飯にかけて「うめぇ〜」とガツガツ食う我々だったが、安立さんだけはイヤそぉ〜な顔をしているのが笑える(安立さんは「ドロッとしたのをご飯にかけるのがイヤ」なんだそうだ)

夕陽の見えなかった夕陽ツアー

 たき火を囲んで飲んでいると雨が降ってきた。一時避難ということで各自にテントに戻るが、ついシュラフに入ってしまった俺には、その後の記憶はなかったりする…


「まさに『熱い男』安立さん」

3/10(月)雨

 雨の朝、朝飯も抜きで走りはじめる。宮脇君だけは実家に向かってツーリングを続けるとのことで、ここで連泊するつもりだ。

 黙々と雨の中を走り続ける5台のバイク。安立さんはなんとカッパなしで気合いで走り続けている。(持ってくるのを忘れたそうで…)すげぇ〜。

 昼めしに入ったラーメン屋。びしょぬれのカッパ姿のまま入ったものだから、我々の歩いたあとは、全部ビショビショ。冷えきった身体がラーメンで暖まった頃、何故か安立さんの股からもうもうと湯気が上がっているの発見!そう、何故か股からだけ湯気が上がっているのだ。「安立さん、なんで股だけそんなに熱いんですか?」


【今回のハイライト】

ギャルの肩を抱こうとする右手を左手でかろうじて押さえ…ギャル参加後の宴会のあいだ中、激しい葛藤に悩んだという約一名が、いやぁ〜、忘れられません…


飛び散るうどんと花粉症の山田
(ギャル宴会の翌朝。飛び散るうどんに若者のエネルギーを感じない?)


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