巣といってももちろん、中国のこと、山と池と温泉のある大豪邸。温泉の湯船は石づくりのばかでかいもの。ここまで豪勢にやれば、例え「傾国」といわれてもあっぱれ。
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古都、洛陽までの交通手段は鉄道。400キロを6時間かけて走る。
中国の鉄道は、ほかに余り交通手段がないこともあって大混雑。駅ももちろん雑踏で、足の踏み場もない。
でもこれは、一般の硬座車<二等車>の客のこと。われわれ外国人と、もちろん中国の特権階級は軟座車<一等車>で、別世界。待合室から改札口まで全然別格。 もちろん車両も、日本以上に違う。
乗ったのは、電気機関車牽引の、オール二階建ての10両編成<写真5>。特快<日本の特急にあたる>でも、それほど早くはないが、ほとんど揺れず乗り心地はよい。
5,6分ごとに行き交う列車は大半が貨物列車。50両ほどもつないだ長大列車である。石炭、タンク車、動物、ありとあらゆるものが運ばれている。ほとんどコンテナだけになってしまった日本国の貨物列車とは大違い。

旅客列車は、長距離が多い。なにしろこの線は、隴海線という内陸と沿海部を結ぶ大幹線。ウルムチから上海などという、4000キロを三日かけて走る列車もある。
停車駅で見かけた硬座車の客<写真6>は、決して楽な旅ではなさそうなのに、皆、楽しそうで瞳が輝いていた。
車窓は、トウモロコシ畑が続く。途中、山越えもあるが、頂上の方まで段々畑で耕されている。
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洛陽の名のいわれは、洛河の北側に位置するからと言う。
歴史の古い中国で、9つの王朝が都を置いた都市である。日本でも、上洛といえば、京に上ること、すなわち「洛」は都を意味するほどだ。
しかし、この古都は、いまや省都ですらなく、昔の面影もほとんどない。
自動車のまき散らす排気ガスと自転車のあふれる、なんの変哲もない中国の完全な地方都市になりさがっている。
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観光の見所は、やはり、郊外にある。

まず、龍門石窟<写真7>。これも、「世界遺産」である。
中国に仏教の栄えた唐代までの400年間に亘って、10万体もの仏像が岩肌に彫られた。
なかでも本尊の大仏<写真8>は、露座だが、痛みも少なく、一見の価値がある。建造費を喜捨した則天武后に似せてあるという。そうだとすれば美女であったに違いない。

車で1時間余り山中に入ると、少林寺。もちろん拳法で有名な、である。
現在3万人もの学生が近在の武術学校で学んでいるという。日本からの留学生もいるとか。
オレンジ色の法衣を着た寺の坊さんも、やや眼光が鋭く、ちょっと普通の寺の僧とは感じが違う。
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現在、中国の元の公定レートは、1元14円ほど。
中国の物価水準は、一般に日本の10分の1から3分の1程度くらいで、一般的には金の使いでがあるが、観光客用の土産物屋は別。
不思議なのは物の値打ちに違いが大きいこと。
ペットボトルの水は必需品だが、だいたい5元だから、日本の半分くらいで高め。
しかし、絨毯を織る工員さんの日給は同じく5元ほど、重労働の麦の刈り入れでも10元という。ホテルのポーターへのチップも10元だ。
一体、ペットボトル1本、チップ1回分で、1日、重労働する人なんているのだろうか。
経済発展の著しい中国、こういうところにもそのひずみがでているのかも知れない。
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それにしても、中国の道路の無法状態はひどいものである。
車は、歩行者がいようと、おかまいなくつっこんで行くし、歩行者も所かまわず、バラバラと横断。車道の中央で渡れる隙をねらっている。外国人だけで、道路を渡るのは至難の業。
郊外では、対向車線に踏み込んでの無理な追い越し。ドライバーは、2車線の道路でも、まるでセンターライン沿いにもう1車線、追い越し専用車線があると思っているかのようである。
WTO加盟など、国際舞台に台頭の著しい中国。「後進国」の典型ともいえる、この道路事情は、なんとかしてもらいたいものだ。
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