帯状疱疹後神経痛(PHN:post herpetic neuralgia)治療の現状と将来
Medical Tribune 201308.22
・断続的な痛みに対しては3環系抗うつ剤、デュロキセチン、ミルタザピン
 ※デュロキセチン:商品名サインバルタ(イーライリリー社及び塩野義製薬)、SNRIと呼ばれる第三世代の抗うつ剤
 ※ミルタザピン:商品名 レメロン、リフレックス、NaSSA(ノルアドレナリン・セロトニン作動薬)と呼ばれる4環系抗うつ剤
・電撃様疼痛にはプレガバリン、クロナゼパム(CZP)、カルバマゼピン(CBZ)
 ※プレガバリン:商品名リリカ、中枢神経系でカルシウム流入を抑制し、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制し、過剰に興奮した神経を抑制する。
 ※クロナゼパム:商品名 リボトリール、ランドセン、ベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬だが、レストレスレッグ症候群(むずむず脚症候群)、パニック障害を含め各種神経症、躁病やうつ病、さらに鎮痛補助薬として神経痛などに使用
 ※カルバマゼピン:商品名テグレトール、アメル、レキシン、脳神経・末梢神経細胞のNaチャネルを遮断する。てんかんの側頭葉部分発作特効薬、として用いる。 く三叉神経痛に使用されてきたが、気分障害の双極性障害の薬としても用いる。
・痛覚過敏にはリドカイン軟膏(院内製剤)、抑肝散
・痛みの性状が混在する場合は薬剤を組み合わせて使用
・オピオイド系はやみくもに投与量を上げても効果は上がらない
・PHNの予防対策にトシリズマブ(抗ヒトインターロイキンモノクロナール抗体)が基礎実験でIL6を抑制する 
 ・これを急性期に硬膜外投与すると脊髄後角の変化を予防し、PHNを防止する可能性
・NSAIDs、メキシチレン、ノイロトロピン、TCA(アミトリプチン)、オピオイド系
・イオントフォレーシス、光線療法
・急性期ZAPの痛みに対して
 ・抗ウイルス剤とアセトアミノフェノン800〜4000mg/dayとアミトリプチン(TCA)10〜20mg/day、オピオイド系薬
 ※アミトリプチン:商品名トリプタノール、三環系抗うつ薬
 ・それでも痛みが強ければ神経ブロック
オピオイド系:オピオイド受容体と親和性を示す化合物の総称
硫酸モルヒネ:MSコンチン、カディアン(徐放カプセル)、モルペス、MSツワイスロン、塩酸モルヒネ、オプソ、アンペック坐薬
オキシコドン: オキシコンチン、オキノーム、パビナール
フェンタニル: デュロテップMTパッチ、フェンタネスト
コデイン: リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン
このほかのレペタン、ペンタゾシン