抗不安薬としてのBZ系薬
メディカル朝日2014.11
ベンゾジアゼピン(BZ)系薬は不安、不眠などの身体的訴えに即効性があり頻用されている
・BZ系薬は依存性があり、1990年代以降、不安障害、気分障害のガイドラインで使用制限を厳しくしている
 ・SSRIなどの抗うつ剤を推奨しているが、BZ系の使用に大きな変化なし
・BZ系薬の副作用
 ・過鎮静→事故リスクの増加
 ・記憶障害→自殺未遂の増加
 ・逆説的刺激効果→反社会的行為
 ・過量服用による呼吸不全→失業リスクの増加
 ・耐性と依存→結婚生活の破綻
・英国における抗不安薬・睡眠薬の処方状況(2011年報告)

(引用:メディカル朝日2014.11)
 ・BZ系睡眠薬に処方は減少している
 ・構造的にBZ骨格を持たないBZ受容体作動薬(非BZD系)の処方が増加
 ・全体としては使用量に減少傾向はない。
なぜSSRIでなくBZを処方するのか?
 ・SSRIは効果発現まで数週かかるがBZは即効性がある
 ・SSRIとBZを併用した方が効果的とすデータ
 ・BZよりSSRIが勝るというエビデンスはない
・BZには常用量依存が多い
 ・ある薬物を継続して使用しているということ→これを依存というのか?
BZ薬を毛嫌いするのは,薬剤会社のビジネス問題からか?
 ・BZは特許が切れているが、新規抗うつ薬は特許が切れていない
・抗不安薬・睡眠薬の歴史
 ・バルビツール酸→サリドマイド・メプロバメート→BZ系→非BZ系(まだ主役にはなれない)?
・BZ系薬剤の作用機序
 ・GABA受容体に作用し、抑制性神経伝達を増強
  ・睡眠作用、筋弛緩作用、抗痙攣作用、健忘惹起作用
 ・脳内のBZ受容体数、GABA量は一定→過剰のBZを投与しても効果は頭打ち
 ・BZ系薬は共通代謝経路を持ち、併用すると代謝物が増加し、副作用の発現が高くなる
・BZ系の副作用
 ➀持ち越し効果
 ➁健忘、奇異反応、せん妄、脱抑制
 ➂ふらつき、転倒
 ➃依存性
・短時間作用型BZ薬は長時間作用型に比し、離脱症状を自覚しやすい
 ・多剤使用者の離脱には長時間作用型に変更してから減薬する
 ・シンプルで必要最小量の処方
 ・減量・中止には時間をかける
・離脱症状(中枢神経系の興奮))
 ・光や音に対する過敏反応
 ・身体の異常知覚
 ・筋肉痛、ひきつり
・屯用使用は好きなときに服用してよいと誤解される
 ・不安似対して薬物以外の対処法を考える
・急激な減量で離脱症状が遷延化することあり
アシュトンマニュアル
世界的な専門家、ヘザー・アシュトン教授によって書かれた、ベンゾジアゼピン系薬剤と離脱法についての解説書。
ベンゾジアゼピン - それはどのように作用し、離脱するにはどうすればよいか
BZD系薬
・ジアゼパム:セルシン・ホリゾン
・クロチアゼパム:リーゼ
・エチゾラム:デパス
・ロラゼパム::ワイパックス
・タンドスピロン:セディール
非BZD薬
・ゾルピデム::マイスリー
・エスゾピクロン:ルネスタ
・ゾピクロン:アモバン
サリドマイド
メプロバメート