〜禿頭治療の最前線〜
アンドロゲン性脱毛症に 有望な経口薬が欧州でも登場
Medical tribune 2000.2.10 Vol33(6)
   有望な経口薬が欧州でも登場が次第に薄くなり,しまいには禿頭に至る。頭髪が薄くなっていることに気付いた若い男性の悩みは深刻である。頭髪には大きな社会的意味が込められているため,悩むのも無理はない。

 しかし,アンドロゲン性脱毛症に悩む男性には,もはや怪しげな治療法に手を伸ばす必要はないとアドバイスできそうだ。

  5α還元酵素阻害薬finasteride (Propecia・Merck社)の経口投与が、耐容性にも優れた治療オプションとして学問的に立証されたからである。
この研究成果は,第8回欧州皮膚科学・性病医学アカデミーで行われたMSD(Merck Sharp & Dohme)社主催のメディア・ワークショップで報告された。

*:効果発現には数ヶ月かかる。少なくとも半年から一年の服用が必要。
女性のアンドロゲン脱毛には使用してはならない。それに対してはミノキシジルやアンドロゲン拮抗薬を使う。


アンドロゲン性脱毛症の発症のかぎを握るのがジヒドロテストステロン(DHT)で.タイブUの5α還元酵素の作用を受けてテストステロンから生合成される。

例えば.こめかみや額.頭頂部などの毛包の遺伝的素因DHTの作用が加わると.長く.太く.色素を豊富に含む成毛が.短く,細く,色あせてしまい(萎毛化)、ますます多くの頭髪が休止期を迎えるようになって、しまいには脱落してしまう。

そうなると.頭髪の薄い個所や無毛の個所も生じてくる。DHTの生合成にブレーキを掛けることができれば.このような一連のプロセスを停止させ、逆転させることも可能になる

一般には脱毛症の男性は精力が強いというのは事実無根とのこと、アンドロゲン濃度が正常であっても脱毛症を起こす。毛包のアンドロゲン感受性の上昇が大きく関与するからである。これには遺伝的素因が大きく関与する。

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