ピーナッツアレルギーに対する経口DNAワクチンの開発
食物アレルギーの重症例はアナフィラキシーショックを起こして死亡するものがある。
米国ではピーナツによるアレルギーが問題になっており、その治療にピーナツアレルゲン遺伝子を用いた治療が試みられている。

行われている動物実験ではピーナツアレルギーを起こさせたマウスにピーナツアレルゲン遺伝子を組み込んだキトサン粒子(カニ、エビなどの甲羅のキチンから抽出した成分)を遺伝子治療を試みている。

アレルゲンを組み込んだキトサン粒子を経口投与すると腸管上皮にアレルゲン遺伝子が発現する。それにより分泌型IgAとIgG2aの分泌が高まり、アナフィラキシー反応の減弱が認められ、アレルゲン特異的IgEの低下もみられる。

ウイルスベクターを使用しなくても自然界に存在する天然物質をベクターとして使える可能性を示したもので、今後の研究成果が期待される。

Roy K. Mao H-Q,Huang S-K,Leong KW:Oral gene delivery with chitosan-DNA neuroparticles generators immunologic protection in a murine model of peanut allergy:Nature Med 1999;5:387-391

●この内容から考えると、IgEの産生を抑えるのではなく、IgGなどBlocking Antibodyの産生を誘導する方法のように思われる。減感作の別のやり方と解釈するべきなのか?

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