消毒薬の殺菌効果
 一般的な消毒剤のアルコールは局所的にタンパク質を凝固させるため消毒,滅菌作用があり、その殺菌力は約70%の濃度において強く、アルコールは殺菌効果の面では濃度が高ければよいというものではない。
消毒剤栄養型細菌結核菌真菌 芽胞
4)
脂溶性中型ウイルス非脂溶性小型ウイルス
グルタラール
(ステリハイド)
○3)
ホルマリン
次亜塩素酸ナリウム
(ピューラックス)
ポピンヨード
(イソジン)
○1)
消毒用エタノール
×
イソプロパノール
×
×
メタノール変性アルコール
×
×
エタノール配合剤
×
フェノール
×
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クレゾール石鹸液
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×
塩化ベンザルコニウム
(ウエルパス)
×
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×
塩化ベンザトニウム
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×
グルコン酸クロルヘキシジン
(マスキン)
×
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×
両性界面活性剤
○2)
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×
消毒剤の使用指針改訂版:1994より

1)ポピンヨードは有機物が存在すると効果が減弱する。したがって蛋白の多い喀痰中の結核菌に対してはほとんど効果がない。

2)界面活性剤は結核菌に対しては接触時間が長くないと(15−30分以上)効果がない。

3)グルタラールの結核菌に対する効果は温度が高いと接触時間が短くても効果が強くなる。

4)ある種の細菌は,環境が適さなくなると体内に芽胞と呼ばれる耐久性の強い構造を作り,分裂をやめ休眠状態になる.病原性の細菌では,Bacillus属,Clostridium属が芽胞を作る菌である.芽胞は,環境がよくなると再び発芽germinationし栄養型の菌となる。芽胞は熱と乾燥に対して耐久性をもつ.

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