たばこに『NO』広がる 世界禁煙デー
看護現場でも徹底図る
日経新聞 2004.5.31夕刊
 世界保健機関(WHO)が定めた三十一日の「世界禁煙デー」に合わせ、省庁や関係団体などが様々な禁煙策を展開している。看護者団体や厚生労働省は、職場や施設などでの禁煙に本腰を入れ始めた。一方、手軽に禁煙を支援する携帯電話のサイトも登場。健康増進法の施行から一年が過ぎる中、禁煙に向けた環境づくりは広がりを見せ始めている。

 ■高い喫煙率
 世界禁煙デーに合わせ、日本看護協会は、看護現場の完全禁煙を目指す「看護者たちの禁煙アクションプラン2004」をまとめた。

 二〇〇一年の同協会調査によると、看護師や保健師などの四人に一人は喫煙者。特に女性看護師の喫煙率は一般成人女性の二倍近い。「保健指導の専門職だけに改善が急務」 (同協会)だ。

 アクションプランは2006年までに協会加盟の医療施設を全館禁煙にし、看護者の喫煙率を半減させるのが目標だ。

■自販機を停止
 禁煙の旗振り役、厚労省は三十一日、東京・霞が関の本庁舎のたばこの自動販売機四台のうち二台を撤去。残り二台も禁煙週間中の六月六日までは電源を切り、庁舎内では一切、たばこを買えないようにする。

 同省は今年四月に中央官庁では初めて、一階の喫煙室を除き「全館禁煙」にした。昨年の世界禁煙デーにも庁舎内の自販機八台を半減させており、担当者は「さらに減らしたい」と意気込む。

■サイトで支援
 「たとえ一本でも、タバコはあなたの体を蝕(むしば)みます」。たばこを「吸った」と送信すると、忠告が画面に登場。

 オムロンソフトウェア(京都市)は一日から、携帯電話の有料サイト「卒煙ネット」を運営開始した。喫煙本数を減らすとキャラクターの黒い鳥「スワンちゃん」は白鳥に、弱々しい力士「ノンスモーくん」は強い力士に育つ。

吸いたいときは専門医が監修する気分転換法も表示する。「開始一カ月の新規会員は二千人」 (同社)といい、反響は予想以上。年間利用者は八千人を見込む。

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