パイプ喫煙で受けるリスクは、葉巻喫煙と同じ
Pipe Smoking Confers Similar Risk to Cigar Smoking
Laurie Barclay, MD June 2, 2004
J Natl Cancer Inst. 2004;96:853-861
【6月2日】パイプのみの喫煙におけるタバコ関連疾患のリスクは、葉巻喫煙と同程度だが、紙巻きタバコ喫煙よりは少ない

非喫煙者に比較すると、現在パイプを吸っている者の死亡リスクは増大しており、それぞれ、

相対リスク95%信頼区間
肺癌
5.00
4.16-6.01
口腔咽頭癌
3.90
2.15-7.08
食道癌
2.44
1.51-3.95
大腸癌
1.41
1.15-1.73
膵臓癌
1.61
1.24-2.09
喉頭癌
13.1
5.2-33.1
冠動脈性心疾患
1.30
1.18-1.43
脳血管障害
1.27
1.09-1.48
慢性閉塞性肺疾患
2.98
2.17-4.11

パイプ喫煙に伴うリスクは、紙巻きタバコ喫煙に伴うリスクよりも小さかったが、葉巻喫煙に伴うリスクとは同程度であった。

肺癌の相対リスク増大に関連する因子は、1日あたりのパイプを吸う回数喫煙歴(年数)、吸引の深さであり、逆に、禁煙してからの年数が多いほどリスクは減少した。

この試験の限界として、喫煙習慣の報告が試験開始時のみしか行われていない点が挙げられる。

「タバコ製品の全てが有病率、死亡率の増大を引き起こす」と著者らは記している。「タバコ業界が紙巻きタバコや葉巻よりパイプのほうが良いと消費者に勧めているのに対抗するには、パイプ喫煙に伴う健康への有害な作用について包括的に記述することが重要である」。

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