客のたばこで健康被害
タクシー運転手提訴
2004.8.6 毎日新聞
 禁煙車拒否の会社相手取り会社が禁煙タクシーの導入を拒否したため、客の吸うたばこで健康被害を受けたとして、横浜市戸塚区のタクシー運転手、大畠英樹さん(37)が5日、勤務先の神奈中ハイヤー(神奈川県厚木市)に50万円の損害賠償を求める訴訟を厚木簡裁に起こした。原告側によると、タクシー会社を相手取った受動喫煙を巡る訴訟の提訴は初めてという。
 大畠さんは今年7月、国がタクシー内の禁煙の指導を怠ったため健康被害を受けたとして、タクシー運転手や利用客が、国を相手取り東京地裁打損害賠償訴訟を起こした原告の一人。
 訴状によると、大畠さんは03年6月の入社後、非禁煙車で勤務した。会社に対し再三、自身が運転するタクシーを禁煙車にすることを求めたが断られた。そのため、客のたばこの影響を受け、せきや頭痛などに悩まされ、医師に慢性気管支炎の診断を受けたという。
 大畠さんは「タクシーの全面禁煙化を、利用者と乗務員のために考えてほしいと思い提訴した」と話している。神奈中ハイヤーは「訴状を熟読し対応を検討したい」としている。

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