『隣煙車両』にご注意
喫煙車両満席の新幹線なら・・・ 粉塵基準の3倍
2004.12.1毎日新聞夕刊
 新幹線などで喫煙車両が満席の場合、隣り合わせの禁煙車両では、空気の野人によって、最大で法定基準の三倍の粉じん濃度が記録されていることが一日、東大大学院医学系研究科の中田ゆりさんと、産業医科大の大和浩・助教授の調査で分かった。新幹線や特急の煙害調査は初めて。

 調査はJRの新幹線や特急電車に粉じん計測器を持ち込んで行った。
 喫煙車両が満席の場合、同車両内のたばこ粉じん濃度は一立方b当たり0.79mgで、喫煙室内の法定基準(同0.15mg以下)の五倍以上に達していた。この場合、隣接する「禁煙車両」内の粉じん濃度も、最高時で0.42mgと基準の約三倍に達し、平均でも0.18mgで基準を上回った。

 停車駅が近づきアナウンスがあると、乗客が一斉にドア付近に並び、自動ドアが開きっぱなしになるため、駅到着時刻直前から急激に濃度が上昇。検札や車内販売の際にもドアが開くことが多い。乗客が携帯電話をかけにデッキに移動するため以前よりもドアの開閉回数が多く、汚れた空気が循環しやすいという。

 両側を禁煙車両に挟まれた「完全禁煙車両」の濃度は平均で同0.03mg。全面禁煙の私鉄や高速バスでは、満席でも濃度は平均0.01mgで安定していた。

 中田さんは「これからは窓口で『両側禁煙の禁煙席』とはっきり言うことが必要」と話している。


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