或る部屋の出来事

環境保全プログラムは、バスルームから、室内にも広がっている。
カナダ・ハミルトンのシェラトンホテル。
「私たちを、そして地球を助けよう」とタイトルがついて、こんな文がつづく。
「ベッドシーツが世界中の何万ものホテルで毎日洗濯されています。
何百万ガロンの水と何トンもの洗剤を使って。」
そして、 「習慣的にシーツは毎日交換することになっていますが、もし必要ないと感じられたら、カードを枕の上においてください。 シーツを交換しません。ありがとう。」
連泊の場合、シーツを一日おきに交換することを原則にしているホテルもある。
毎日交換してほしい時は、カードをベッドの上においたり、客室係に電話で依頼。

「ベッドに、入れないんですが‥‥」 部屋に行ってみると、べッドの毛布がパンパンに張り詰めてセットしてある。
新聞紙さえも入らないほどだ。マットをすこし浮かせて、 毛布をずらすと体を入れるスペースが。
ベッドメーキングのパーフェクトな仕上がりは「羊羹の包装」を思わせるものだ、 と聞いたことがある。

ビニール袋に入れたお土産。その上に、たまたま飲み終わったペットボトルをのせていた。
置いた場所が悪かった。 ゴミ箱のそば。ごみと間違えて捨てられていた。

ブルーのきれいなビンに入ったジュース。
空ビンを記念に持ち帰ろうとテーブルの上に。 ベッドメイクに入ったメイドが、ゴミとして処分。
宿泊客のクレームに、メイドが自腹でジュースを買って弁償。

韓国、ソウルのホテル。
食べかけの菓子をゴミと間違えて捨てられて、憤慨する宿泊客。
反対に、テーブルの上のおいてあった食べ残しのおつまみが、 そのままだったので、
「掃除がしてない!」と、立腹する人。

中国西安のホテル。
ゴミ箱に捨てた靴。夕方部屋にかえってみると、 丁寧にとりだして床の上に並べてあった。
バンコクのホテルメイドが、ゴミ箱にすてたTシャツと、カードを持ってやってきた。
カードには、「このTシャツはプレゼントしたものです」と書いてあり、サインをしてくれという。
日本人にとってはゴミでも、 彼らにとっては利用できる品。

クローゼットの中にかかっているバスローブに、100ドルの値札が。
「使うの、有料ですか?」 「持ち帰ると、請求される金額です」テーブルの上に、こんなカードを置いているホテルも。
「ホテルの備品が必要なかたには、ギフトショップにて実費でお分けしております」

あるホテルの館内案内。
「お部屋のテーブルの上に小さなボトルが並んでいます。
おみやげっぽいんですが、だまされないでください。すべて有料です。」 こんな案内がなかった中国のホテル。
チェックアウトのときにホテル側から指摘され、カバンから小瓶を取り出して返却した宿泊客。
ホテルによっては、テーブルの上にレンズつきカメラ、CD、歯ブラシなどが置いてある。
すべて有料。
多くの場合、値段がついている。

ポットとコーヒーや紅茶が用意してあるホテル。
基本的に、インスタントコーヒーやティーバッグは無料。 カップ入りのコーヒーは有料のことも。
わからない場合は、ホテルに確認を。
ベニスのホテル。
テーブルの上に液体の入ったピンク色の、 栓のないボトルが。
ワインだろうか、ミネラルウオーターだろうか。
ホテルに確認すると、「ドント・ドリンク!(飲まないで)」 花がいけてない花瓶であった。
「テレビが映らない!」コンセントがつながっているか、まずチェック。
ベッド脇にコントロールボードがある場合、そのスイッチは入っているか。
テレビ本体や、付属機器の電源の点検を。

「リモコンが使えない!」
電池の接触不良や消耗の可能性。
電池ぶたをあけて、電池を少し動かすと機能することも。
それでもダメなら、ハウスキーパーに連絡して電池の交換を。
テレビの上に専用のセンサーが設置してあれば、そのセンサーに向けて 操作を。
海外のリモコンは、許容範囲が狭いことが。PAY TV(有料テレビ)を備えたホテルが多い。
確認のために「OK」や「PAY」のボタンを押す。
見る気がなければ、リモコン操作は、「電源とチャンネルとボリュームだけに」
マニラのホテルの客室に日本語の注意書。
「何よりも誘惑には勝てないものです。不愉快な思いをされないよう貴重品はくれぐれも 安全な場所に保管して下さい。
セーフティボックスについてのお問いあわせはフロントデスクまで」ホテルのセーフティボックス。
客室に備えてあるホテルが増えている。
種類はさまざま。

金属のカギを使う金庫がひらかないとの連絡で、ホテルマンが駆けつけた。
「このように、少し力を入れて回せば、OKです」
「壊れては、いけないと思いまして‥‥」「この金庫は、火事や地震でも大丈夫です」
磁気カードで開閉する方式の金庫。使えないというので部屋へ。
磁気式のホテルのカードキーを使って、鎖錠しようと奮闘中。
部屋の合鍵をもっている人たちが開けることができる! ホテルのカードキーは使用不可。
キャシュカードかクレジットカードで。 固定してない、持ち上げることができる金庫が部屋に。
心配してホテルに確認すると、「これから、固定します」 部屋のセーフティボックスが機能しない。
係りを呼んだら、乾電池を4個持ってきて交換。電池で作動していたのだ。
「何も入れないで、テストして使いたい、安全金庫」ちょっとしたことで開かなくなり、あわてることに。
精密機器に慣れている日本人。
番号の打ち込みが早く、読み取らないことや、誤入力が。
「海外では、ゆっくり、丁寧に、番号入力を」「お金、スーツケースに入れて おいていいですか?」と、
ツアー客。

スーツケースは、安全金庫にあらず。部屋のセーフティボックスか、フロントの金庫へ。
イタリア、ローマ。「部屋のセーフティボックスに入れていたお金が、抜かれているようだ」との連絡。
ホテルと交渉するさいの手がかりとして、こんなアドバイスが。
「金額を、漢数字でメモして一緒にいれておけ」
▼ 多額の紙幣であふれんばかりの財布を手に、フロントに向かう日本人。
ロビーのひとびとが注目。貸金庫に預ける時には、 何かに包んで目立たぬように。
「出来ごごろを誘わない、こころづかいを」「部屋に冷蔵庫が見当たらないのですが‥‥」
そこで、部屋へ。
テレビの下の扉をひらくと冷蔵庫が。「鍵がついているので、金庫かと思いました」

パリのホテル。
ミニバーのミネラルウオーターが6.5ユーロ(約1000円)。
「スーパーで買ったら、50セント、100円もしませんでした。
ホテルの冷蔵庫って、ずいぶん高いんですね」
「ビールを飲みたいのだけど、部屋に栓抜きがないんですが‥‥」
「洗面台のところについています」アメリカには、手でひねって栓を開けるビンビールも。


イスタンブールのホテル。
機内でもらったワインを持ち込み、飲んだあと空ビンをテーブルの上に。
チェックアウトの時、ミニバーのワインを一本飲んだことに なっていた。
似たようなビールが冷蔵庫に。「持ち込みのビールが、どれだかわからなくなってしまった」
旅のリピーターがひとこと。
「自分のものは、袋にいれて見分けができるようにしています」

ハワイのホテル。
「エアコンがはいらないのですが‥‥」
「ベランダのドアは、閉まってますか?」エネルギーの節約のため、ドアが開いていると、自動的に電源が切れるようになっています。」
「この乾燥、なんとかならないかしら」
部屋の乾燥対策。
濡らしたバスタオルを、部屋の中に配置。 バスタブにお湯を張って、蒸気を部屋に。
上海のホテルで、マッサージに電話すると、予約で満員とのこと。
しばらくすると、部屋をノックする音。「マッサージ、一万円」ホテルには、いろいろな職業の人が出入りしている。
ホテルの従業員が手引きしていることも。