あせらず、走らず、転ばない

 

「日本人は、律儀だな」と思うのは、集合場所に走ってこられる姿を見るときです。

国内でも、海外でも、集合時間に遅れそうだと、集合場所やバスに走ってくる方が少なくありません。もちろん、待つ人の身になれば走りたい気持ちもよくわかります。しかし、それが、大きな事故につながりますので注意してください。

道路や駐車場には、思わぬ段差があったり、車の出入りもあります。そんなところで転倒したら、かすり傷くらいではすみません。特に、事情のわからない海外では注意が必要です。

車が右側通行の国、歩行者が優先ではない国があります。信号を無視するクルマもあります。歩道が、水や油で滑りやすくなっている場合もあるでしょう。「犬の落とし物」や食べ物の残りカスが捨ててあるかもしれません。石畳の歩道、大理石の廊下、らせん階段など、わが国と違った環境もあります。

日本では考えられないことですが、掘削している工事現場に棒が一本さしてあり、柵がなくて落っこちそうになったことがありました。

ですから、国内はもとより海外でも、決してあせったり、走ったりしないでください。そのためには、日ごろから、あせらないですむように、ゆとりを持って行動することが大切です。

おうおうにして海外のお店のレジでは、時間がかかります。包装でも頼もうものなら、じれったくなるくらい待たされます。断わろうにも作業を中止させるのはマナーに反するので、言い出せません。お店での買い物は、余裕をもってしてください。

また、お店からあわてて、商品、サイフ、おつりのお札を手に持ったまま飛び出してくる方がおられますが、とても危険なことです。そういう時にかぎって、風が吹いて帽子を飛ばされたり、つまずいて転倒なんてことになることが多いからです。

それに、犯罪者の注目の的にもなります。お金やサイフは、人通りのあるところでむやみに他人に見せないようにしてください。どんなに急いでいても、おつりをサイフに入れ、そのサイフをしっかりと安全な場所にしまってから店を出ることを習慣づけてください。事故や犯罪にあうリスクがグーンと少なくなります。

あせらず、走らず、転ばない

これをモットーに、事故のない海外旅行をしましょう。