PC と 68k Mac とひまさえあればだれにでもできる FUSION
2000 年 12 月 28 日 |
FUSION は PC で Mac OS を動かすエミュレータ。 2000 年夏,FUSION 3.0 になって,Windows の DOS プロンプトで動き,DOS
用マウスドライバ調達不要となり, しかもフリーウェアとして公開された。導入しやすくなった上に無料となれば,もはやハードルはない。 インストールに際しては,Emulators Online の「FUSION Macintosh Emulation Guide」と共に,POSEIDON 様の「FUSION-PC Information」も大いに参考になった。 PART 1:インストールする Step 1:材料確認 ■ PC 本体 ■ Mac 本体 ■ FUSION 本体 Step 2:下ごしらえ ※下準備は順不同。ひととおりそろえれば準備完了。 ■ Mac で ROM ファイルを作成する ■ FUSION 3.0 ソフトウェアをダウンロードする ■ Mac OS とアプリケーションソフトを用意する 以上,下準備は全て Mac 側で行なえる。 |
Step 3:インストール いよいよ PC 側での作業。 1. FUSION ソフトウェアを PC に入れる 2. INSTALL.EXE の実行 3. FUSION 動作に必要なファイルを FUSION フォルダへ入れる 4. SETUP.EXE の実行 基本設定:(そのまま) ビデオ:"VESA_REF.FVD" を選択。(←この VESA_REF.FVD が最も高速だった) 「設定」で Refresh Rate: を「60 FPS」,QDXL: Y に。(←数年前に購入したままのパソコンなら FPS を下げたほうがいいかも) フロッピー:(そのまま) DEVICES:ハードファイル(用意していた "Mac7.hf1")を選択。 ポート:(そのまま) ROMファイル:用意していた "Q700.ROM" を選択 サウンド:「BLASTER」→うちのサウンドカードは正確には Audio PCI。Port:220,IRQ: 7, DMA8: 1, DMA16: 0 に設定。初期状態では IRQ が 7 ではなくて,妙な音になった。 CD-ROM:(off) ADB:「COMMAND Key Definition」のみ "LALT" に変更した。← Mac の Commnad キーと似た位置にあるから。※但し,これに関連して「MS-DOS プロンプト」の設定を一箇所変更しなければならない。←後述。 SCSI:(そのまま) 外部ドライブ:(そのまま) メモリ:20480K に。←実機 Quadra 700 の搭載メモリが 20 MBだから,というだけの理由で。 ↓ 以上の設定を終えたら「設定ファイル」で「セーブ」 ↓ 「システム情報」は設定を表示する(だけ)。 ↓ そして,いよいよ[エミュレータ起動]… |
PART 2:FUSION 起動 SETUP の[エミュレータ起動]ボタンを押すと,パワーオン直後の Mac と同じような灰色画面になった。 一瞬「Welcome to Macintosh」のダイアログが見えた直後…爆弾登場。Mac
名物のあの爆弾。化け文字が並んでいる。本物の Mac でも昔(よく)見た。同じく「化け文字」のリスタートボタンを押したらまた爆弾。本物の
Mac ならここで Shift キー押し下げ技があるのだが,FUSION では効かず。 爆弾が出るからには Mac のエミュレート自体は正常に行われているもよう。README.TXT には「すべてのマッキントッシュ用システムソフトウェアをインストールしなさい」との記述がある。ワシは実機 Quadra 700 で使用していたそのままの状態をイメージファイルにした。それが原因なのかもしれない。 漢字 Talk7には対応していないのかもしれないとも思えた。 しかたなく「すべてのマッキントッシュ用システムソフトウェア」のインストールからやり直すことに。漢字 Talk7自体が大丈夫であると確信が持てなかったので 7.6.1 に。今度は Quadra 700 の出番なしで,MPC-GX1 で空のイメージファイルを作り,OS 7.6「すべてのマッキントッシュ必要最低限」 → 7.6.1 アップデートを実行。 ハードファイルの指定を変更し,ついでに「設定ファイル」のオプション「PRAMクリア」を実行してから再度起動。 … 今度は成功。機能拡張類は必要最低限だが,それにしても起動が速い。ウインドウ開閉の反応など本物の Quadra 700 より確実に速い。 Quadra 700 から移した Photoshop 3.0 LE が実用的速度で動く。 SimpleText での日本語入力でも,変換も含めてかなり高速。さてここで Command-Space で入力モード(スクリプト)を切り替えようとしたら Windows のデスクトップに戻ってしまった。→これは Windows のショートカットキーと重なっているのが原因。「MS-DOS プロンプト」のプロパティ>その他>Windows ショートカットキーの「Alt+Space」のチェックを外して解決した。 Mac で使う Windows エミュレータは「ベンチではそこそこ出ても実用的速度からはほど遠い」と言われるが,Windows で使う Mac エミュレータは速いぞ。ということで,用意しておいた Norton System Info 3.2 登場。
このスクリーンショットでは CPU が「Motorola 68040 @ 40 MHz」とまともそうな周波数になっているが,「10000
MHz」と表示されることもあった。
なかなか。OS が 7.x 時代の System Info なので基準システムは Quadra 700。
ビデオは:
特にスクロールが高速。スクロールのスコアは 2200超。少なくとも初代 iMac などの RAGE
II より速い。
これには注意点少々。読み込みが異常に速い。メモリから読んでいるのかも。System Info の実行ボタンを押すと(ディスクキャッシュは初期値
96K になっているのに)「ディスクキャッシュが 0 K になっています。128K に設定して下さい」と警告が出た。書き込みは 16K までは速いが,それ以上になると急激に落ちる。16K
以上の書き込みになると実際にHDにアクセスするのかも。
ほぼ妥当な値かも。MPC-GX1(601/66)が 8100 より速いのは LibMotoSh が効いているから。 以上,ベンチマーク終了。 … マウスの移動速度が遅めなので調整しようと思ったら,コントロールパネルに「マウス」が入っていない。「必要最低限のシステムソフトウェア」には「マウス」が入らないのか。イメージファイルを作ったときに確認しなかったワシが悪いのだが,腹立つ。メニュー選択時の点滅も気になり,使用している実機 Mac と同じく点滅「なし」にしようと思ったら「一般設定」も入っていない。腹立つ。 非純正 Sticky Click 1.2(OS 8 から採用された Sticky メニューを 7.x で実現させる機能拡張)が正常に動いたのは救い。 純正では,QuickDraw 3D が×だった。QuickTime は動く。 … 改めて README.TXT を読んでみると「8) Notes on Extensions and Control Panels」に,QuickDraw 3D が使えないと明記されているではないか。見落としていた。(または忘れていた。) … 再度,漢字Talk7に挑戦。苦し紛れに OS 7.6.1 を入れたハードファイルから起動して,漢字Talk7のハードファイルをを2台目ディスクとしてマウントし,7.6.1 の System ファイルだけを 7.1 のシステムフォルダに入れ替えたら…起動は成功したが,日本語表示の構造が異なるためか,日本語が化ける。これでは使えない。→化けてはいても「マウス」と「一般設定」コントロールパネルはアイコンで識別できる。この機会に,マウスを早めに,メニューアイテム選択時の点滅をオフにした。 漢字Talk7がダメだったので,今度は英語版 System 7.1 (+Software Update 3.0) を入れたハードファイルを作ってみた。→起動失敗。Mac のスタートアップ画面で「文字なし真っ白のっぺらぼうダイアログ←縁チカチカ付き」が出てしまう。このエラー状態はなつかしい。昔よく見た。→こりゃどうやら 7.1 ではだめらしい。おまけに,念のため Setup で PRAM クリアを実行してしまったのでマウスとメニューバーの設定が初期状態に戻ってしまった。 こうなったら,ちゃんと「マウス」「一般設定」コントロールパネルを入れた OS 7.6.1 を作るのが吉。
※ワシと同じくらいDOS プロンプトに不慣れな方向け: 最後に: 始める前は「そこそこ動くとしてもせいぜい LC III 程度だろう」と思っていた。ところが,インストールしてみたら,Quadra 700
より速い。 描画はうちの先代メイン Mac(96 年引退)8100 より間違いなく速い。マックライト II での日本語入力は現メイン Mac
9500/G4 で使う Dreamweaver よりもスムーズ。Photoshop 3.0 LE も十分に高速で問題なし。 さて,インストールはしたけれど… 結論:FUSION はインストールを完了するまでがおもしろい。 |
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