2002年 第4戦 サンマリノGP


1. 予選結果

1  M シューマッハ  フェラーリ  ブリヂストン
2位  バリチェロ  フェラーリ  ブリヂストン
3位  R シューマッハ  ウィリアムズ  ミシュラン
4位  モントーヤ  ウィリアムズ  ミシュラン
5位  ライコネン  マクラーレン  ミシュラン
6位  クルサード  マクラーレン  ミシュラン
7位  ハイドフェルド  ザウバー  ブリヂストン
8位  トゥルーリ  ルノー  ミシュラン
9位  バトン  ルノー  ミシュラン
10位  ヴィルヌーブ  BAR ホンダ  ブリヂストン
12位  パニス  BAR ホンダ  ブリヂストン
14位  佐藤琢磨  ジョーダン・ホンダ  ブリヂストン
16位  サロ  トヨタ  ミシュラン
17位  マクニッシュ  トヨタ  ミシュラン
21位  フィジケラ  ジョーダン・ホンダ  ブリヂストン

 きれいに塗り分けされました。フロント・ローがフェラーリ、セカンド・ローがウィリアムズ、サード・ローがマクラーレン、ハイドフェルドのザウバーを挟んで8位、9位がルノー。見事なまでに現段階でのマシン・パフォーマンスが現れてます。GPこそ「サンマリノ」ですが、ここはイタリア、フェラーリのお膝元、エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ・サーキット。ティフォシは大喜びなんでしょう。

 「日本」がらみのトップはBAR ホンダのジャック・ヴィルヌーブ!! こりはめでたい。何処までいけるのかはお楽しみ、ってことで

2. 決勝結果

 冒頭の映像、やはりアイルトン・セナの銅像が映りました……。

 天候ははっきしいって不安定。ヘリのカメラにいきなり水滴、当然ながら全車ドライでスタート、荒れる展開が予想される。

 ラルフのスタートが最適!! きっちしバリチェロの前へ。フェラーリとしてはマイケルを前でダッシュさせてバリチェロに抑えさせる、ってのが作戦だったはず。またもや兄弟対決開始です。
 この段階でトヨタのマクニッシュがトラブルからかリタイア。さらに、琢磨がスローダウン、ピットに戻って大幅にタイムロス、雨による幸運を信じてコースに戻りますが……やはりダメ、リタイアです。1速にスタックしてしまったとのこと、そりゃースピードも伸びないっすよ。

 マイケルは独走状態へ。ラルフとの差は8周目で既にラルフと5秒9の差をつけて逃げまくる。9周目で7秒まで広がる。ラルフはバリチェロを抑えるだけで精一杯か? 
 序盤はトップのマイケルが逃げまくり、2位集団としてラルフとバリチェロ、その後はモントーヤ→マクラーレン2台→ルノー2台→ザウバー2台 といった展開。予選結果を如実に反映しています。

 トヨタとホンダの対決、サロとフィジケラで見られました。スタート直後からずっと遣り合ってるんですが……フィジケラの方が速そうです。ま、フィジケラの予選最後尾は普通に考えたらありえない話なんで当然なんだろうけど。……と思ったら、フィジケラにもトラブル発生、見た感じは琢磨と似てます。同じトラブルなのか? ジョーダンは2戦続けて2台ともトラブルでリタイア、しかも去年の速さが感じられない。こりは痛いっすよ、マジで。

 ザウバーは早めのピットイン、17周目と18周目に2台とも入れました。他チームとは明らかに違う戦略、このコースは2回ピットインが通常なんですが、3回ストップが濃厚。マクラーレンとしてはこいつらに喰われない様にタイム差を気にしておきたいところ。んでもハイドフェルドは再度ピットイン、タイヤ交換なしの燃料補給、どうやら給油大失敗だったようです。っと思ったら“ミス・コミュニケーション”、ピットクルーはハイドフェルドが入ってくるとは思ってなくて、パニくったみたいっす。しかもピットレーンで速度違反、“ドライブ・スルー”ペナルティ食らっちまいました。マッサは結局2回ストップ、スタート時の燃料、めちゃめちゃ少なめだったんすね。

 ルノーは22周目でトゥルーリからピットイン。続けてバトンも入る。このタイミングなら2回ストップでしょう。

 しっかし、マイケルは一人だけあんまりのも速すぎる!! ラルフはようやくマイケルと同タイムで走れるようになったとはいえ、兄ちゃんは遥か彼方、12秒前方に逃げちまってます。しかもファステスト・ラップ更新しまくりのマイケル。こりは雨でも絡まないと燃えられないっすよ、私。

 レース中盤、BARの2台が7位ヴィルヌーブ、8位パニスといい位置。ヴィルヌーブがピットストップした時にトヨタのサロがリタイア。これでトヨタ全滅。「日本」がらみは今回好調のBARのみに。今シーズンここまで全くいいところのなかったBAR、今回は間違いなくチャンス。

 フェラーリはマイケルからピットイン。ラルフも同一周回でピットへ。ピットインの前までは17秒のタイム差、同じタイミングでのピットインということは搭載燃料の差ではなかったみたいです。バリチェロとモントーヤは次の周でピットイン、バリチェロがラルフの前へ。これはタイム差を計算しましたね、フェラーリは。これでラルフの前に壁が出来て、しかもバリチェロが本来のペースで走れるようになって、いよいよマイケル独走態勢完成へ。33周目、これで決まりなのか? ラルフはバリチェロから、マイケルから完全に置いてきぼりに。

 残り18周で2台がリタイア、ライコネン/マクラーレンとパニス/BAR。こりは私期待のクルサード/マクラーレンとヴィルヌーブ/BARも怪しいか?
 ここでマイケルとラルフが同時にピットイン。2名とも全く問題なくコース復帰。次の周でバリチェロも入るがピット作業ミス。んでもラルフは遥か後方、全く問題なくコースに復帰。フェラーリのピットクルーが反省してますが、上手く作動しないレンチをすぐに交換するあたり、訓練できてますねー、フェラーリは。さらに次の周でモントーヤがピットイン。これで上位確定。何事もなければ……。

 残り10周、マイケルがクルサードに追いついちまいました……。クルサード、この時点で“6位”走行中。こんなに違うもんなんでしょうか? CM挟んでいきなり残り3周、マイケルはきっちしクルサードの前へ。はしょり過ぎだってのフジテレビ!!

 結局、20年ぶりのサンマリノGP 1,2フィニッシュを決めたフェラーリ、王者の貫禄を見せ付けられたレースでした。

 決勝結果

1  M シューマッハ   フェラーリ  ブリヂストン
2位  バリチェロ  フェラーリ  ブリヂストン
3位  R シューマッハ  ウィリアムズ  ミシュラン
4位  モントーヤ  ウィリアムズ  ミシュラン
5位  バトン  ルノー  ミシュラン
6位  クルサード  マクラーレン  ミシュラン
7位  ヴィルヌーブ  BAR ホンダ  ブリヂストン
8位  マッサ  ザウバー  ブリヂストン
9位  トゥルーリ  ルノー  ミシュラン
10位  ハイドフェルド  ザウバー  ブリヂストン
11位  ウェバー  ミナルディ  ミシュラン

 スタートでラルフが前に出さえしていれば燃える展開になったんでしょうけど……ティフォシにとっては最高のレースでした。
 BARに復活、じゃねーや躍進の風が吹いたか? ジョーダンはマシン開発に遅れてるんで、ホンダ勢としてはBARに期待。もちろん、ジャック・ヴィルヌーブに。チャンピオン経験者がこの順位と言うのはやっぱし淋しい。ホンダとしてもBARとはシャシー開発の勉強のためのタイアップのはず。3年後に期待か?

ドライバーズランキング

1位  M シューマッハ  34
2位  R シューマッハ 20
3位  モントーヤ 17
4位  バトン 8
5位  バリチェロ 6
6位  クルサード 5
7位  ライコネン 4
8位  アーバイン 3
9位  ウェバー 2
10位  ハイドフェルド 2
11位  サロ 2
12位  マッサ 1

 バリチェロがようやくポイントゲット。マイケルとラルフは14ポイント差。まだ4戦目、フェラーリに何かが起こればラルフの逆襲が見られるか?
 マクラーレンの2人は完全に出遅れ。早期のマシン改良、フェラーリに追いつくことを期待。
 ヴィルヌーブは今回7位。後一歩ポイントに届きませんでしたがここからの壁は大きそう。

コンストラクターズランキング

1位  フェラーリ  40
2位  ウィリアムズ BMW 37
3位  マクラーレン メルセデス 9
4位  ルノー 8
5位  ジャガー コスワース 3
6位  ザウバー ペトロナス 3
7位  ミナルディ アジアテック 2
8位  トヨタ 2

 ここでフェラーリがウィリアムズを逆転。バリチェロの2位が大きい。マクラーレンの4戦して9ポイントというのはどう考えてもやばいっす。上位2チーム以外は順位変動なし。ここにホンダエンジン搭載の2チームが出てこないのは非常に淋しい。トヨタに負けてる場合じゃないって!!(とかいいつつ、私の愛車はトヨタだったりするんだけど……。)

 

 決勝結果の冒頭で述べたとおり、アイルトン・セナの銅像がやはり映りました。未だにあの事故の映像が頭をよぎり、涙を流してしまう私。やっぱ、ダメですね。サンマリノGPは毎年番組冒頭でちょっちブルー入っちまいます。

 今回のマイケルの勝ち方、往年のアイルトンの必勝パターンでした。

 次回は4/28 スペインGPです。ここは91年、アイルトン・セナとナイジェル・マンセルが死闘を演じたコース、とにかくエンジンに厳しいサーキット(だったような気がするぞ?)。BMWのパワーが冴えるか? そして、ホンダはトヨタのポイントに追いつけるか?

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