世界の名峰シリーズ
NHK BS プレミアムで放送している「世界の名峰」シリーズから、大型ハイビジョンカメラを頂上まで担ぎ揚げ、−30度の極寒の世界最高峰からのパノラマ写真を撮ることに成功した。 そのドキュメンタリー番組を紹介します。

標高8848m、世界最高のエベレスト。 その頂を2011年NHKの取材班が目指しました。ハイビジョンカメラでの迫力ある撮影は世界で初めての試みです。
標高5300mのベースキャンプから8848mの頂上まで4つの中継基地を設け、総勢30人の山男たちがこのプロジェクトを支えました。
標高6000mのキャンプ1を朝8時に出発し、ウエスタン・クルムと呼ばれる巨大な谷を登って、標高6500mにあるキャンプ2を目指しました。 体感温度30度の緩い傾斜の谷を4時間かけて登り、高地順応訓練のはずが、暑さで体力を消耗する結果になりました。
キャンプ3は7100mの傾斜地に」設営された。
キャンプ4「サウスコル」を夜中に出発し、風が弱ければ約10時間で頂上まで登れる。
ベースキャンプには500ものテントを設営し、食糧、撮影機材、登山用具など、万全の準備をしました。
昼間は強烈な日光と積雪からの反射で、摂氏30度にも気温が上昇する事もありました。
ベースキャンプを朝出発し、標高6000mのキャンプ1までたどり着きました。
キャンプ2までは傾斜は緩やかですが、瓦礫に囲まれ、強風に晒される悪条件の場所です。

キャンプ2から出発した先発隊を、後から出発した後発隊が撮影しながら、キャンプ3まで登り、合流しました。
キャンプ2を出発して2時間ほどすると、キャンプ3に近づくに連れて傾斜が急になり、氷の壁が迫って来ました。 キャンプ3はこの壁の中にあります。
キャンプ4までは傾斜45度の急勾配を登らなくてはいけません。 雪の表面が凍って氷となり、
キャンプ4からエベレスト山頂を眺めると、雪煙が見えます。 天気は晴れていますが、風速20m以上の強風が吹きすさび、登頂は困難です。
氷で硬くなった急斜面を登ると、次にはピストルの形をした「ピストリ岩」が迫ってきます。
それを超えると、次は「ジェネバ・スパー」の鋭い岩の突起が控えています。 以前、スイスの登山隊がこの岩越えで苦労したのでこの名前が付いています。
第4キャンプ「サウスコル」はなだらかな稜線にある。
第4キャンプからベースキャンプ方向を見る。
この谷を登って来たのだ。
7900mのキャンプ4まで登って来ました。
頂上はすぐ上に見えますが、強風で登れません。
隊員の持つ高度計は7455mを指しています。
8000mを超える山頂部分は「デスゾーン」と言われ、多くの犠牲者を出している危険地帯です。
相変わらず、山頂付近は強風に晒され、気長に天気の回復を待つしかありません
キャンプ4は標高7900mの「サウスコル」にあり、ここで風が弱まり天候が良くなるのは何時か、ベースキャンプと交信しながら何週間も待機させられます。

天候は一向に良くなりません。
キャンプ4から頂上までのルートには、緩やかな南峰を超えると、最後の難関、「ヒラリーステップ」と言う垂直の壁が行く手を阻んでいます。
「ヒラリーステップ」はエベレストに初登頂したヒラリー卿の名を冠した数十mの垂直の岩壁で登頂最後の最も危険なパスです。
やっと天候が回復するとの連絡を受け、真夜中に第4キャンプを出発して登頂を開始しました。 夜明けとともに東方の地平線が茜色に輝き始めました。
遅々として登頂は進まず、遂に朝日が出て来ました。 エベレスト山頂付近で見る初日の出です。
周囲の8000m級の山頂から、次第に朝日に輝き始めます。
エベレスト上部も朝日を浴びて輝いています。
日の出とともに、周囲の山塊が白く輝き始めました。
「ヒラリー・ステップ」を越えるとエベレストの山頂です。
「ヒラリーステップ」を登っている撮影隊員です。
最後の難関「ヒラリーステップ」を越えているカメラマンです。
「ヒラリー・ステップ」を越え、山頂に向かう撮影隊員です。
2011年5月25日、午前9時30分、遂に頂上に立ち、エベレスト登頂に成功しました。 2ヶ月間の挑戦はやっと終わりを遂げた。
防寒具に大型ハイビジョンカメラを包んで、山頂のパノラマ写真を撮っているカメラマン。
「南蜂から俯瞰したヒマラヤ山塊の眺望です。
エベレストの山頂からチベット方向を見た景観。
エベレストの山頂から、ネパール方向を見た山塊です。
世界ど第6位の標高をもつ「チョー・オユー」と第14位の「シシャパンマ」が間近に迫ります。
山頂の景観に感激する撮影隊員。
山頂のパノラマ写真。到るところに氷河が見える。
エベレスト山頂を含むパノラマ写真。
神々の宿る山頂に白布を巻き、無事登頂を感謝するシェルパ隊員。
日本の日の丸とネパールの国旗を連結して、頂上に立てる。
頂上でネパールのシェルパに謝意を示す日本隊員たち。