企業献金の廃止(2009328日)

  1. 抜け道だらけの政治資金規正法

    民主党の小沢代表の公設秘書が逮捕され、建設会社が抜け道だらけの規正法を逆手に取ってダミーの政治団体を通して政治献金をしていた事が暴露された。 この種の抜け道を使った企業献金は形式的には違法ではないが、受け取る側が本当は企業からの迂回献金である事を認識していたら、規正法に違反する。 政治家は政治献金が欲しい為ザル法を作り、形式的に企業献金ではない様に装う。 

    企業側は公共工事を談合で受注したく、神の声として有力政治家を利用する為、献金をする。 企業献金は賄賂ではないと政治家は言うが、賄賂性の無い企業献金なんて企業側が出すはずは無い。 自民党や民主党の政治家とその秘書でこのからくりを知らないものはいない。 皆、知らなかったと嘘を吐き通しているだけである。

  2. サンプリング捜査

    今回の検察の行動はいわゆるサンプリング捜査である。 政治献金の額が大きいからスケープ・ゴードとして逮捕しただけで、日本中に規正法に違反している政治家は無数にいる。 検察当局もその実態は気付いているが、全数捜査をするには人数が足らないから、大物以外は見逃しているだけなのである。 世の中の犯罪検挙は、公衆の知る事となったもの、特に悪質と思われるものを検挙しているだけで、同罪のグループ全体に対するサンプリングの比率は百分の一以下の成っているのが実態だろう。

    一種の見せしめ検挙であり、同罪の多くの人に悔い改めることを暗に催促しているのである。 「悪い奴ほどよく眠る」と言うのは現代資本主義社会の偽らざる実態であり、金儲けのうまい奴ほど要領よく立ち回っている。

     

    (追記)米国で起きたサブプライムローンのバブル破綻も本質的には詐欺行為であるが、詐欺も金融工学などの理論武装をして堂々とやれば世間の人達は簡単に騙される。 現代は金融資本主義の時代であり、うまい儲け話には世界中の金持ちが直ぐ群がって来る。 今回の大恐慌を引き起こした経済犯罪者を裁く法律も規制もなく、検察も手が出せない。 偽装政治献金など、彼らから見れば子供の悪戯程度の小犯罪に思える事だろう。

     

  3. 企業献金の全廃

    小沢代表は自分が悪いのではなく規正法に欠陥があると開き直っている。 そこで、引かれ者の小唄よろしく、企業献金の全廃を主張し出した。 政治家と企業の癒着構造を解消するにはこれしかない。 自民党の幹部などはこの提案に難色を示しているが、彼らも同じ穴の狢であり、この際企業献金全廃に同意すべきである。

    瓢箪から駒ではないが、小沢氏も政権を取ったら企業献金全廃を実現し、罪一等を減じて貰うしか、国民の信頼を取り戻す方法は無い。